今回の発表では、ハイエンド端末はしっかり選択肢を用意しつつ、ハイエンド並みの高性能モデルから新しい低価格プラン用のお手頃なコストパフォーマンス重視の端末まで無駄なく用意してあり、全体の数こそ少ないものの、きちんとターゲットを絞り込んだ機種構成になっていると感じさせられた。

性能的にも充実しており、ミドルレンジ以上の端末を選べば、ゲームなども大きなストレスなく遊べるだろう(端末の背が丸まっていて置いた時に定まらなかったり、発熱が大きいという問題は如何ともしがたいが)。スマートフォンの進化もそろそろ円熟期に到達しており、以前ほど革新的な新端末というものは登場しなくなっているが、それでも2~3年前に購入したユーザーに対して、きちんと進化した端末を提示できている。どの機種もよく練られており、どれを選んでも大きな不満はないと思われる。

通信速度は、9機種のうちフラッグシップの3機種で下り最大788Mbpsの高速通信に対応する。そろそろ1Gbpsに手が届きそうな段階まで到達したが、このあたりは回線の利用効率が高まるなどして、特に混雑時の実効速度が高まってくれなければあまり意味がない数値に思える。5Gになれば解決する問題かもしれないが、理論値と実効値の乖離が大きすぎるのも考えものなので、なんとか改善してほしい。また、最大788Mbpsという速度は、当初は使える地域がかなり限定されることもネックだ(東名阪地域の1.7GHz帯が利用できるエリアのみ)。今後の広がりに期待したい。

新サービスについては、地味ながら留守番電話のテキスト化サービスが大きなトピックだと考えている。電話に出にくいシーンでも留守電を確認できるというのはもちろん、聴覚にハンディキャップを抱える人にとっても嬉しいはずだ。新しいテクノロジーでより多くの人の生活が便利になるというのは、技術革新の理想的な姿とも言える。こうした取り組みが広く評価されるようになってほしい。