ミドルレンジが熱くなる

ミドルレンジで想起されるのは、大手キャリアのサブブランド(ワイモバイル、UQ mobile)と多数のMVNOの存在だ。最近こそハイエンド端末に近い性能のスマホを取扱うようになってきたが、これらの事業者はミドルレンジで成長してきた側面がある。

ある意味、ドコモの新料金プランは、スマホ市場のなかで、ホットなセグメントに影響を与えるものになりそうだ。吉澤社長は今回の施策について「サブブランドだとか、MVNOは視野に入っていない」と何度か繰り返しし強調しつつも、「結果的にポートアウトが少なくなってドコモにとどまっていただきたい気持ちはある」と本音も漏らしている。

吉澤社長の言葉をそのまま受け止めるのであれば、この発言は、ミドルレンジのスマホ利用者に対して、ドコモのサービスにどれだけ魅力を感じてもらえているか、を推し量る試金石にもなりそうだ。

スマホの利用料が圧倒的に重要なユーザーであれば、ドコモが何かをしたところでサブブランドやMVNOに移ってしまうだろう。料金ばかりではなくドコモが提供する様々なサービスにも大きな魅力を感じるならば、ドコモにとどまることになると考えられるからだ。今回の施策は後者に該当するものとなる。果たして、今回の施策によって、何らかの新たな傾向が出てくるだろうか。