社会人になって戸惑うことは、会社の仕事だけではないはず。働くようになれば、毎月お給料をもらうことになりますが、その使い方に悩む機会は多いのではないでしょうか。お金をどのように使い、どのように貯めればいいのか教えてくれる人はなかなかいませんし、学ぶ機会もそう多くないですよね。そこで今回は、新社会人が知っておきたい家計管理や貯蓄方法、入るべき保険についてまとめてみました。

新社会人が知っておきたいお金のこと まとめ
初任給の使い道と給与明細・福利厚生のチェックポイント
家計管理と先取り貯蓄、入るべき保険を考える
新社会人が知っておきたいお金のこと – クレジットカードの使い方と注意点

家計管理はどうやってする?

  • 生活費はあらかじめ一週間ごとの予算を出す
  • 支出の流れは視覚化させる
  • 忙しい人は家計簿アプリの利用がおすすめ

社会人になると、学生の頃とはお金の使い方も変わるもの。自由に使えるお金もある一方で、これからは、社会保険料や税金、生活費なども自分で支払っていきます。はじめのうちは、好きに使えるお金と支払うべきお金のバランスが取れず、苦労することがあるかもしれません。会社の先輩から飲みに誘われるなど、時には付き合いでお金を使うこともあるはずです。一生懸命働いて手にしたお金を賢く使うには、どうすればいいのでしょうか。

まず、生活費の予算を一週間ごとに立ててみましょう。公共料金や家賃、通信費など毎月の固定費や貯蓄分を差し引いた残りのお金を割り、一週間のうちに使える大まかな予算を把握しておきます。これなら、給料日前にお金が足りなくなる心配がありません。

また、支出の流れは視覚化させることが大切です。忙しい社会人におすすめなのは、「家計簿アプリ」を活用すること。家計簿アプリは、簡単に手入力ができるほか、レシートをカメラで撮影して読み取る、クレジットカードと紐づけして利用明細が確認できるなど、様々な機能のものが登場しています。使い勝手のいいアプリを見つけて、支出の「見える化」を習慣にしましょう。

無理なくお金を貯められる方法

  • まずは少額でもお金を貯める行動を
  • 「先取り貯蓄」が基本
  • 目標を持つと貯蓄はスピードアップ

まだ所得の多くない入社一年目。お金を貯めたいけれど、一人暮らしをしている場合、「給料は生活費ギリギリで、そんな余裕は全くない……」という人も少なくないでしょう。貯金はもう少し経ってから、と先延ばしにしてしまう気持ちもわかります。しかし、貯金をしないことに慣れてしまうと、1年、2年とズルズル「貯金ゼロ状態」が続くことも。また、収入が多い方が貯めやすいことは確かですが、高収入でも浪費グセがついて貯蓄がない人もいます。大事なのは、どんなに少額からでも構いませんので、お金を貯めるための行動を実際に取ってみることです。

最もおすすめなのは、「先取り貯蓄」といって、毎月の給料から自動的に貯蓄分を天引きさせる仕組みで貯金していく方法です。勤め先の会社にある場合は「財形貯蓄制度」を、ない場合は、金融機関の「自動積立定期預金」を活用してみましょう。先に貯蓄分のお金を別口座に分けてしまうと、強制的にお金が貯まっていきます。残りを生活費に使えば、貯金するためにお金を余らせるよう神経質に節約する必要もありません。社会人一年目からこの方法でコツコツと貯蓄していくことができれば、無理なく「貯められる体質」になれるはず。将来、お金を使う機会に困ることもなくなりますので、小さい金額からでもぜひ始めてみてください。

実家暮らしで余裕がある人は、今がお金の貯め時です。生活費として家にお金を入れるとしても、その気になれば、一人暮らしの人が家賃に支払う費用分くらいは貯蓄できるでしょう。いつか一人暮らしがしたい、結婚費用を準備したいなどと具体的な目標を立ててみると、お金の貯まるスピードはアップしますよ。

新社会人が入るべき保険とは

  • 生命保険はまだ必要ない
  • 医療保険は必要なら検討を
  • 周りに流されることなく保障を見極める

社会に出て自分でお金を稼ぐようになると、周囲の人から勧められるのが「保険」の加入です。まだ保険の仕組みに詳しくないこの時期は、少し慎重になりましょう。何も保険に入っていないのは不安だから……と、勧められるままに入ったものの、後から考えてみると必要のないものだった、ということもあるからです。

たとえば、生命保険は基本的に、扶養している家族がいるなど、自分が亡くなることで経済的に困る人がいるときに加入するもの。社会に出たばかりの場合、そのような立場ではないことがほとんどでしょう。社会人になったからと言って、すぐに生命保険が必要になるわけではないのです。

ただし、加入を検討したほうがいい保険もあります。それは、医療保険です。医療保険とは、病気やケガによってかかる経済的負担を軽減してくれる保険のこと。充分な貯蓄がない新社会人の場合、いざという時に備えて最低限の保障を確保しておくといいでしょう。ただし、実際には、加入している健康保険や、一定以上の医療費がかかった場合は高額療養費制度によって補助が受けられるため、自己負担が高額になることはありません。

ちなみに、生命保険は結婚して家族を持つようになってから考えても遅くありません。周りに流されることなく、自分に本当に必要な保障を見極めることが大切です。

まだ社会に出たばかりの皆さんですが、これから、お金の知識が必要になる機会に色々と出くわすことでしょう。誰しもすぐに一人前にはなれませんが、徐々に学んでいき、有意義なお金の使い方ができるようになりたいですね。

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筆者プロフィール:武藤貴子
ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント
会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中。FP Cafe登録FP。