【レポート】

新社会人が知っておきたいお金のこと - 初任給の使い道と給与明細・福利厚生のチェックポイント

今春から働き始めた新入社員の皆さんは、初任給を手にしてやりくりに励んでいる頃ではないでしょうか。特に、社会に出て初めて一人暮らしをする人は、自活の大変さを実感していることと思います。社会人になったこのタイミングに、ぜひ賢いお金の使い方を身に付けておきましょう。今回は、新社会人が知っておきたいお金のことについてまとめてみました。

新社会人の初任給とその使い道

産労総合研究所の調査によると、2016年度の決定初任給(2016年4月に確定した初任給)の水準は、大学卒(一律)で204,703円、高校卒(一律)で164,717円という結果になりました。学生時代のアルバイトと比較して、働く時間も受け取る給料の額も格段に増えることでしょう。

それでは、新入社員は初任給をどのようなことに使っているのでしょうか。感謝の気持ちを込めて親にプレゼントを贈る人もいるようですが、堅実に貯蓄をする新社会人も多いのだとか。また、一人暮らしを始めるための費用を親に借りていて、その返済に充てたり、仕事用のスーツや小物類などを買い揃えたりしていると、はじめは自由に使えるお金がさほど余らないということもあるようです。

給与明細をチェックしてみよう

給料をもらうと同時に目にするのが、「給与明細書」です。「お金がきちんと振り込まれていれば見る必要がない」と思っている人が多いのですが、給与明細には、自分の給与に関す大切な情報が詰まっています。新社会人の今、見ることがなければ、この先ずっと確認することなくやり過ごしてしまうかもしれません。そうなる前に、最低限チェックしておきたい項目を覚えておきましょう。

  • 社会保険料(厚生年金保険料、健康保険料、雇用保険料)をチェック
  • 所得税は概算されたものが引かれている
  • 二年目から住民税も天引きされる

実際に振り込まれる給与、いわゆる「手取り」は、額面より低くなるということを耳にしたことがあるがあるかもしれません。これは、厚生年金の保険料や、健康保険料、雇用保険料などの社会保険料や、税金が引かれているためです。なお、所得税は概算で差し引かれ、実際の収入が確定してから、「年末調整」で過不足を調整します。もうひとつの税金である住民税は、一年目の収入を元に計算され、二年目から天引きされるようになります。

自分が働いた分からどのようなお金が引かれて、手元に残るのか。その仕組みを知らないままでは、後々困ることがあるかもしれません。給料が入ったのを確認したら、明細は見ることなく捨ててしまう…… なんてことがないよう、必ず目を通しておきましょう。

自分の会社の福利厚生を知ろう

給与明細の他にもうひとつ、入社したら知っておきたいのは、自分の会社にどのような福利厚生制度があるかということ。すぐには使う機会がないものもありますが、お得な制度は賢く活用したいものです。福利厚生は会社によって種類がさまざま。「就職活動の時にすでに調べた」という人も、再度、以下のような制度があるか確認してみましょう。

  • 財形貯蓄制度など
  • 休暇関連の制度
  • 育児や介護関連の制度

まずは、財形貯蓄など、会社が給料から天引きで蓄財してくれる制度がないかチェックしましょう。財形貯蓄には「財形住宅貯蓄」「財形年金貯蓄」「財形一般貯蓄」の三種類があり、このうち「財形一般貯蓄」は、他の二つと違いお金の使い道に制限がありません。その他、最も気になる休暇関連の制度や、子どもが産まれた時、介護が必要になった時の制度、利用できる保養所なども知っておきたいですね。

また、これらの福利厚生と並んで、会社が「企業型確定拠出年金」を導入していることもあります。確定拠出年金は節税効果に優れ、老後資金を準備するための手段として注目を集めている制度です。「入社したばかりなのに老後のことなんて…… 」と思ってしまいますが、将来のお金は早いうちからコツコツ積み立てたほうが断然有利といえます。

お金の使い方で気を付けたいことは?

社会人になると、もらうお金が多くなるだけでなく、使う金額や機会も増えます。だからこそ気を付けたいお金の使い方とはどのようなことでしょうか。

  • キャッシングやリボ払いなどは利用しない
  • 少額ずつでも貯蓄の習慣をつける
  • 貯めるばかりでなく、有益にお金を使う

はじめの頃の給料は、生活するのに充分とは言えないこともあります。しかし、だからといってカードでキャッシュングをしたり、買い物の支払いを分割やリボ払いにしたりするのは避けたいところ。これらは気軽に利用できますが、結局は、将来に支払いを先延ばしするだけです。クレジットカードを使う時は、銀行口座の残高以上の買い物をせず、一括で支払える金額を基本としましょう。

そして、金額は少なくてもコツコツ貯めていく習慣をつけましょう。たとえ500円玉貯金でも、貯めていく行動を取ることが重要です。しかし一方で、貯めるばかりでなく、有益なことにお金を使うのも必要なことです。見聞を広める旅行や趣味、スキルアップに役立つ習い事など、人生を豊かにするために自己投資することも忘れずに。

働くことは大変さもありますが、自分の力で生活していく楽しさもあります。毎日を充実させるためには、お金の使い方も重要。特に、社会人となってはじめにどう向き合うかが肝心です。覚えたての仕事をこなすことで精いっぱいかもしれませんが、その中でもぜひ、お金を賢く使い、貯めることを始めてみてください。

筆者プロフィール:武藤貴子
ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント
会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中。FP Cafe登録FP。

人気記事

一覧

イチオシ記事

新着記事