【レポート】

[SAPPHIRE NOW 2017]SAP、IoTや機械学習のツールセット「SAP Leonardo」を正式発表

2 「SAP HANA」を基盤としてクラウドを推進

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差別化は「デザインシンキング支援」「デジタルツイン」

顧客の"Win"を支援するにあたって、SAPは技術ツールのみを提供するのではない。共同創業者のHasso Plattner氏の主導のもとでSAPが10年以上前から力を入れているデザインシンキングを組み合わせることで、先述の工具レンタルショップの例では新しいビジネスモデルまで生み出すことができた。

「デザインシンキングでビジネスバリューを生み出す。これまでとは異なる顧客とのエンゲージを追求する」とLeukert氏。SAPはこの日、ニューヨーク、サンパウロ、パリ、バンガローで「SAP Leonardo Center」を開設することも発表した。顧客はLeonardo Centerまたは自社でSAPの支援を受けながら、エンドユーザーを意識して、製品やサービスのプロトタイプの設計から製品化までを迅速に進めることができるという。

デザインシンキングでインタラクティブなプロトタイプを作成共有し、メンバーがコメントを書き込んだり、評価を残したりすることができる。ヒートマップにより、メンバーがどこをよくクリックしたかなどを見ることができる

Leonardo関連でLeukert氏が最後に発表したのが、「SAP Leonardo Digital Twin」だ。これは、物理資産に対して、ソフトウェアの"双子"を作るもので、ソフトウェアの双子側を変更してその成果を見て、物理資産に実装することが可能になる。産業IoTではよく用いられるアプローチだ。

「継続的にセンサーからのフィードをモニタリングして、物理的なストレスを計算して、全体への影響を計算するといったことができる。これはSAPの差別化のポイント」とLeukert氏。

デモでは、風力原動機運用企業がノルウェーの風力タービンに異常があることがわかり、VRヘッドセットを装着してSAP Co-Pilotと対話しながらデジタルツインに問題のある部分を表示し、センサーの場所を移動させて変化を見た。

ボルトの変更が必要とわかると、バックエンドと連携して在庫状況を問い合わせ、Concurと連携させて取り替えのためのフィールド技術者を探すなどのことを行った。

デジタルツインを作成して、その上でセンサーを移動させて変化を見る

ERPをはじめ全面クラウド推し――「SAP HANA」が土台

"Run"については、クラウドを強調した。

「デジタルがもたらす機会を受け入れる必要があるのは、拡張性、可用性などを得ることができるからだ」とLeukert氏。SAPはコアの「SAP S/4 HANA Cloud」を2016年夏に公開しており、フロントの「SAP Hybris」「SAP SuccessFactors」「SAP Fieldglass」「Concur」などのクラウドアプリケーションを持つ。

土台はもちろん、「SAP HANA」だ。「SAP HANAを土台とすることで、アプリケーションに効率と自動化がもたらされる」とLeukert氏。実際、「数年後にSAPで動くビジネスプロセスの80%が自動化される」と、Leukert氏は予想した。

中でも中核となるSAP S/4 HANA Cloudについては、常時アップデート、ビジネスプロセスをシームレスに統合できるオープン性などが特徴という。「マシンデータをメンテナンスに統合したり、外部のソーシャルデータを顧客プロファイルに統合したりすることができる」と、Leukert氏はメリットを説明する。

あるITサービス管理会社は支社立ち上げにあたって、S/4 HANA Cloudの採用、財務、購買、プロジェクト管理に加え、ConcurとSuccessFactorsの統合も含め、決定から10週間で実装したとのことだ。

最後にLeukert氏は、「最高のモジュラースイート、オープンなクラウドアプリケーション、これにデジタルイノベーションシステムのLeonardoがあり、双方がシームレスに連携される。これが勝利につながる」と述べてスピーチを締めくくった。

Leonardoにより、"Run"に"Win"が加わる

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インデックス

目次
(1) SAP Cloud PlatformのAWS、Azure、GCPの対応を強化
(2) 「SAP HANA」を基盤としてクラウドを推進


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