スイスのバーゼルで開催されたウオッチ&ジュエリーの祭典「BASELWORLD 2017」にて、ウブロは今年もハイ・インパクトな新製品を多数発表。その中から編集部が選んだ3本をご紹介する。サイズ、厚み、派手さともにフルボリュームなウブロの圧倒的存在感は、今年も健在だ(掲載写真はすべてクリックで拡大表示。価格はすべて税別)。

正面に巨大なモニター装置を掲げたウブロブース。フェラーリの実車も

ビッグ・バン ウニコ ブルーサファイア/レッドサファイア

10年前、ウブロは「オールブラック」コレクションを発表。光を吸収するブラックにより、「時計は見えるのに、時を告げる部分は見えない」という、当時としてはまったく新しい先進的なコンセプト「見えない 可視性(Invisible visibility)」を提案した。

そして2016年、今度は透明なサファイアガラスのケースを持つ「ビッグ・バン ウニコ サファイア」を発表。「時計は見えないのに、時を告げる部分は見える」という、オールブラックコレクションと対をなす「見える不可視性(Visible invisibility)」を提示してみせた。これらは、ウブロの斬新な視点や反骨精神、ファッション性といったブランド哲学を象徴するかのようなエピソードだ。

「ビッグ・バン ウニコ サファイア」(アクトI)は、2017年、アクトIIへと進化を遂げた。透明なサファイアクリスタルケースが、アクトIIではカラーサファイアのケースになったのだ。

ビッグ・バン ウニコ ブルーサファイア

ビッグ・バン ウニコ レッドサファイア

……と書くと、「何だ、それだけか」と思われるかもしれない。が、それは実に難易度の高い技術だという。サファイアの溶融は結晶化の過程が不安定で、同時に製造しても色が均一なサファイアを作ることは困難。さらに、気泡や亀裂が生じやすく、ビッグ・バンのケースに使えるようなサイズのカラーサファイア製造はほぼ不可能と思われていた。

ウブロはこれらの限界を打破。サファイアの原材料である 酸化アルミニウム(Al2O3)に遷移金属のクロミウム(Cr)を加え、2,000℃~2,050℃で熱することで、高耐傷性、完全な透明性、存在する最も硬質な物質の1つ、という素材本来の特性をすべて保ったままのカラーサファイアを実現したのだ。カラーバリエーションは、ブルーとレッドの2色で展開。各色とも、針とインデックスはケース色に合わせている。

ムーブメントは、自社生産の自動巻(フライバック機能クロノグラフ)で、パワーリザーブは72時間。ケースサイズは45mmで、風防は両面無反射コーティングのサファイアクリスタル。防水性能は5気圧。ストラップは、ブルーケースモデルにはブルースケルトンラバー、レッドケースモデルにはブラックスケルトンラバーがセットされる。価格は、ブルーケースモデルが892万円、レッドケースモデルが780万円で、各色とも世界限定250本。7月発売予定。