外資の参入が相次ぐなど、話題の絶えない日本のハンバーガー業界。中でも、日本から一度は撤退し、2016年に再上陸を果たしたカールスジュニアは、独特の立ち位置で戦略的な市場開拓に取り組む面白い存在だ。社長に話を聞いたので、2回に分けてお伝えしたい。今回は商品戦略、とりわけ価格設定についてだ。

カールスジュニアジャパン代表取締役社長の渡邉雅人氏

食の宝庫から日本に進出

カールスジュニアは1941年に南カリフォルニアで誕生したバーガーチェーン。カリフォルニアは気候に恵まれ、広大な土壌から生み出される農産物や、2つの海流が交わる海で獲れる豊富な漁業資源でも知られる。「米国でうまい食事や飲み物は?」と聞かれても浮かぶものは少ないが、カリフォルニアには数多く存在する。カールスジュニアの生まれ故郷であるカリフォルニアは、食の宝庫といっても過言ではない。

日本には1989年に進出するも一度は撤退。2016年3月には秋葉原に再上陸1号店をオープンし、同年10月にはショッピングモール「ららぽーと湘南平塚」に2号店を開設した。この4月には自由が丘駅のすぐ近くで3号店の営業を開始している。

カールスジュニアの提供スタイルは、基本的にハンバーガーとドリンク、そしてポテトのセットだ。特筆すべきはフリードリンク、いわゆるドリンクバーが基本となっていること。ボリューム満点のバーガーに加えて、ドリンクのおかわりが可能であることは、若者世代に限らず大きな訴求ポイントとなる。

カールスジュニアの基本的なセット。画像は自由が丘店の期間限定商品「スーパーマッシュルームシックバーガー」だ

カールスジュニアで面白いのは、価格帯が独特であることや、10年で150店を出店すると公言していることなど、いろいろある。自由が丘店の内覧会で、カールスジュニアジャパンの渡邉社長に話を聞くことができたので、同社のポジショニングや戦略などを語ってもらった。