総務省消防庁は5月11日、北朝鮮から発射された弾道ミサイルの発射情報を発信するJアラート(全国瞬時警報システム)について、一部の携帯電話・スマートフォンでは受信できないとして、注意を呼びかけた。

弾道ミサイル情報などの国民保護情報は現在、Jアラートを通じて市町村の防災行政無線、登録制メールなどにより国民に伝達されているほか、消防庁から携帯大手事業者(NTTドコモ、KDDI、沖縄セルラー電話、ソフトバンク)を経由するエリアメール・緊急速報メールにより携帯電話・スマートフォンに配信されている。

ただし、一部の携帯電話・スマートフォンでは、エリアメール・緊急速報メールを受信できないことから、消防庁は、利用中の携帯電話・スマートフォンが受信できるかどうかの確認手順と、受信できない(または受信できるかわからない)場合の対策を公開した。

エリアメール・緊急速報メールの受信可否を確認する方法

まず、携帯電話・スマートフォンがエリアメール・緊急速報メールを受信 できるかどうかを確認する方法は契約している携帯事業者によって異なる。

消防庁はNTTドコモ、KDDI、沖縄セルラー電話、ソフトバンクの販売した端末はほぼエリアメール・緊急速報メールを受信できるとしている。エリアメール・緊急速報メールの受信に対応しているかどうかは、以下のWebサイトで確認できる。

一方、携帯大手事業者以外の事業者、つまりMVNOの場合、iPhone端末は基本的に受信可能だという。Android端末は、「携帯大手事業者の販売端末を同系列の MVNO で使用する場合」「MVNOがエリアメール・緊急速報メール(Jアラートの配信)の受信機能を確認している場合」は受信可能だという。

いずれの場合も、国民保護に関する情報は「災害・避難情報」として配信され、「災害・避難情報」を利用する場合は、エリアメール・緊急速報メールの受信の設定をONにする必要がある(初期設定は原則ONになっている)。

NTTドコモのAndroid端末「SO-2H」では、「災害キット」に緊急速報エリアメール」の設定があった

受信できない(または受信できるかわからない)場合の対策

消防庁は、利用中の携帯電話・スマートフォンがエリアメール・緊急速報メールを受信できない場合、次の2つの対策をとることを推奨している。

民間事業者のサービスを利用

民間事業者のサービスとして「Yahoo!防災速報」が例示されている。同サービスは、スマートフォンアプリや携帯電話のメールにより、弾道ミサイル情報などの防災情報をヤフーが無料で提供するもの。

同サービスは、自宅や勤務先など、国内最大3地点と位置情報を利用した現在地に、さまざまな災害の情報を通知する。

地方公共団体の登録制メール

一部の都道府県及び市町村では、事前に登録したスマートフォンと携帯電話のメールアドレスに弾道ミサイル情報などをメールで送信する登録制メールを実施している。

なお、消防庁の発表を受け、格安スマートフォンを提供するIIJは、公式ブログにおいて、IIJmioを含む「格安スマホ」(MVNO)でのJアラート(ミサイル発射情報)の受信に関する情報を公開している。

同社の調査では、「地震・津波」についてのメッセージは多くの格安スマートフォンで表示可能だが、「地震・津波以外」のメッセージはほとんどの格安スマートフォンで表示不可であることがわかっているという。

北朝鮮の動向から眼が離せない今、利用中のスマートフォンや携帯電話の設定を確認してみてはいかがだろうか。もし、エリアメール・緊急速報メールを受信する設定がされてない場合は、すぐにONにしたいもの。また、受信できない場合は、何らかのサービスを利用して、情報を入手できるようにしておきたい。