【インタビュー】

ネイティブ広告の効果と活用方法をOKWAVEに聞いてきました

「OKWAVE」について教えてください。

コンシューマーソリューション事業部 営業部 営業グループ リーダー 滝村千佳子さん。「OKWAVE」や、「OKWAVE Guide」などグループサイトやOEM先も含めた関連サイトの広告などのマネタイズを担当。

「OKWAVE」は「誰かの質問にみんなが回答する互い助け合いのQ&Aサイト」として、2000年に正式公開されました。質問に対して、一般の回答者のみならず当社が認定した専門家や企業が回答する仕組み「OKWAVE Professional」や「OKWAVE」の運営ノウハウを基にした、特許を有するFAQシステム「OKBIZ. for FAQ / Helpdesk Support」を展開しています。

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「OKWAVE」を運営するにあたり、どういった指標を置かれていますか?

サービス全体で追っているのはUU数と売上はもちろん、ユーザーのアクティブ性を計る指標として投稿数やありがとう数(※1)も追っています。私の在籍している営業部では、特に「OKWAVE」のマネタイズをミッションとして追っているので、売上を重視しています。その中で私は、ネットワーク広告や純広告を含めたPV単価も指標の1つにしています。

※1:回答に対して、質問者や閲覧者が1クリックでお礼の気持ちを表明したり、お礼コメントを投稿できる仕組み。現在のありがとう数は4,600万以上。

採用している広告メニューを教えてください。

純広告はバナー広告とタイアップ広告を採用しています。気軽に購入や申し込みができるものよりも、悩んで意思決定するような商材がマッチしているようです。例えば、不動産や、車、人材系サービスやデジタル機器など。なので、訴求が難しく詳しい説明を要する商材を持つ広告主様にご出稿いただくことが多いです。「OKWAVE」は“読むこと”に対するモチベーションの高いユーザーが多いので、タイアップ広告からの送客率も高いと好評価をいただいています。

運用型広告はAd ExchangeやSSPなど、一通り導入しています。ネイティブ広告は、インフィード型ネイティブ広告(※2 以下インフィード型)を一昨年に導入し、レコメンド型ネイティブ広告(※3 以下レコメンド型)は昨年導入しました。

※2:フィード型のコンテンツにデザインを合わせ、コンテンツとコンテンツの間に配信される広告
※3:レコメンドウィジェットの中に、おすすめ記事や関連記事の表示とデザインを合わせ配信される広告

ネイティブ広告を導入し、バナー広告と比較した結果

導入されているネイティブ広告のフォーマットと、それらを導入した経緯を教えてください。

「OKWAVE Guide」にインフィード型を導入しています。すでにレクタングルバナー等の既存の広告が表示されており、新たな広告設置スペースを作ることが難しかったので、「関連ガイド」という記事下に表示されるフィードの下に、フィードと同じデザイン(サムネイル用画像+テキスト)を施した広告を2本ほど追加しました。レコメンド型については、最初はスマートフォン版「OKWAVE」に導入してみました。既にレクタングルバナーを複数設置していたので、別の広告フォーマットを試したいと思っていたのです。レクタングルバナーの1つをレコメンド型に置き換えてみました。

導入してみていかがでしたか?

ネイティブ広告を導入してみて実感したのは、新たな収益として有効な手段ではあるものの、目的を明確にし、チューニングを行っていく事が重要だということです。

インフィード型については、現時点で設置してある広告枠と入れ替えるのではなく、新規でインフィード型用の広告スペースを用意し、追加の収益源として利用するのに有効な手段でした。タグを設置するだけで実装できるので工数はほとんどかからず、また「関連ガイド」のデザインを踏襲しサイトによく馴染んでおり、その仕上がりに驚きました。今のところ、「広告だと気づき難い」というようなユーザークレームも発生していないので、今後は他の枠への拡大も予定しています。

レコメンド型については、ウィジェット内に4本の枠を設け、4つ全てに広告を掲出してみました。枠のパフォーマンスがある程度分かったタイミングで、1本のみサイト内の関連したコンテンツへの回遊用に切り替えたところ、思った以上に回遊用ばかりがクリックされてしまい、収益が下がってしまいました。安易に広告とコンテンツ回遊レコメンドを共存させるのは難しいと判断し、4枠とも広告に戻しました。その後は収益目的に絞り運用してみましたが、4本の広告の収益を合計しても、元のレクタングルバナーの収益には及びませんでした。4枠のCTRの合計はレクタングルバナーとさほど変わらなかったのですが…。結果的に、この枠についてはレコメンド型からレクタングルバナーに戻すことになりました。これはあくまでスマートフォン版の「OKWAVE」にテスト導入した結果で、媒体や掲載位置、デザイン、時期など様々な要素が収益に影響してくるので一概には言えないのですが、収益目的でのレコメンドウィジェットと既存広告枠との単純な置き換えはおすすめできません

一方で、回遊施策としてウィジェット内全てを回遊枠にしたものは功を奏しています。「OKWAVE」のQ&Aページコンテンツ下に設置しているのですが、自社モジュールの「関連QA」では掲出できない、サイトを跨いだグループ媒体の記事や純広告への誘導などを表示させています。この自由度の高さはレコメンドウィジェットの魅力だと感じています。また、CTRを計測できるので、ユーザーの行動分析にも便利です。ただ、レコメンドウィジェットは広告扱いのためSEOに関与しないという話もあります。そうしたことも踏まえて、今後もテストを続け、どんなレコメンドを表示させると回遊率が上がるのか、自社モジュールとどう使い分けるのが効果的なのか、検証を進めて行きたいと思っています。

「OKWAVE」の広告マネタイズ術

広告運用体制と運用方針を教えてください

「OKWAVE」はユーザーの質問と回答で成り立っているメディアなので、「ユーザビリティを重視しつつ、ページの単価を上げる」という運用方針を掲げています。単価が高い広告があってもユーザーが不快に思うようなものは掲載しないよう、純広告でもネットワーク広告でも掲載可否を厳しく行っています

また、ページ単価を上げるために特に重要なのがABテストです。長くダラダラとテストするのではなく、短期間でとにかくABテストを繰り返します。「OKWAVE」の場合、テスト期間は最短3営業日です。それで判断できる場合は掲載をやめますし、判断できない場合は、最適化にかかるとされている2週間程度、継続掲載する場合もあります。パフォーマンスがわかり次第、掲載停止やimpsを寄せるなどの判断をし、早く切り上げます。そうしないと、テストが溜まってしまい、広告運用が滞ってしまいます。その分、ご提案いただいた内容は可能な限りテストを実施しますし、また一度検証し終わったものでも時期を置いて再度テストをしてみることもあります。テストをして出た実数値を出して見ない限り、どの枠に、どのプラットフォームの、どのフォーマットを掲載すべきかの判断はできないからです。

大規模媒体を運用するコツを教えてください

「OKWAVE」では大小合わせて約1,000ものカテゴリがあり、それぞれのユーザーや投稿内容の傾向にあわせて、最適な広告タグを選択し、出し分けています。 現在10社ほどのプラットフォーム事業者様とお付き合いがあるのですが、なるべくウォーターフォール(※4)でSSP等を数珠繋ぎにはせず、基本的には1枠に対して1つのプラットフォーム事業者様に運用をお願いしています。ウォーターフォールで繋ぎすぎてしまうと、業者様ごとのパフォーマンスも測りにくくなってしまうためです。事業者様によっては自社のCPMの低下を懸念しフィラーの運用を嫌がる場合もありますが、そこも含めて枠のパフォーマンスを上げて欲しいと依頼し、トレーディングデスク的な働きをお願いしています。カテゴリごとや、枠ごとという非常に細かい運用をしているので、こうした要望に応えてくださる事業者様とは真摯に向き合い、長期的なお付き合いをしていけるよう務めています

※4:工程に分けて順に段階を経て作業を行う手法。プログラマティック広告においては純広告、AdExchange、SSP、アドネットワークなどを単価が高いと想定されるものから予め順序を決めておき、配信を行っていく。

サービスのパワーは”どれだけユーザーに愛されているか”

今後の方針を教えて下さい

引き続き回遊性の向上に注力していきます。それがサイトの評価につながり、ゆくゆくは収益になると信じているからです。ユーザーにいかに1ページでも多く読んでもらうかを追求するためには、こちらからの情報だけでなく、気づきも与えユーザーに選択してもらうレコメンドという手法は効果的だと考えています。 「OKWAVE」のコンテンツは日々増加しています。ニッチなQ&Aもあれば、ぜひユーザーに見てほしいお役立ちQ&Aや感動のQ&Aもあります。多くのコンテンツの中から埋もれてしまいがちな良記事をユーザーにレコメンドし、より「OKWAVE」の魅力を伝えていけたらなと思います。

また、今後のメディアは、よりパーソナライズ化が求められてくると考えているので、ユーザーの興味関心にマッチしたコンテンツを表示することも重要になってきます。パーソナライズのロジックで掲出できるレコメンドウィジェットも活用してみたいです。

もちろん、いくらレコメンドウィジェットを活用しても、そもそものコンテンツがユーザーの求めるものでなければ限界がきますから、コンテンツの価値を高めていくのも、同時進行で行っていきたいです。

サービスのパワーは”どれだけユーザーに愛されているか”で決まります。サービスのパワーがなければ広告収益もありません。繰り返しになりますが、「OKWAVE」はユーザーの投稿で成り立っているメディアなので、引き続き、ユーザーに愛されるサイトというコンセプトに沿った広告運用を心がけていきたいと思います。

OKWAVE 滝村さん、貴重なお話をありがとうございました!

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本稿は、fluct magazineに掲載された記事を転載したものです。


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