スイスのバーゼルで開催されたウオッチ&ジュエリーの祭典「BASELWORLD 2017」にて、ブランパンは、同社を象徴する「ヴィルレ」コレクションと、エクストリーム・スポーツウオッチ「フィフティ ファゾムス」コレクションから新作を発表。
ブランドの出自から名付けられたヴィルレ(ブランパンが初めて工房を構えた村の名前)と、現在のいわゆる「ダイバーウオッチ」のスタイルを作り上げたフィフティ ファゾムスという看板コレクションに、今、スポットライトを当てたその意味とは……?(掲載写真はすべてクリックで拡大表示。価格はすべて税別)
ヴィルレ ウィークリーインジケーター ラージデイト 8デイズ(Ref. 6637-3631-558)
前段でも触れたように「ヴィルレ」とは、ブランパン創業の地名である。つまり、そこには1735年に創業したブランパンの伝統とアイデンティティが込められている。高級時計としての繊細なエレガンスも、そのひとつだ。
ヴィルレ コレクションの新作(Ref. 6637-3631-558)は、ダイヤルに美しいグラン・フー・エナメル(高温焼成エナメル)を使用。これは、ベースプレートにエナメルパウダーを何度も塗りながら800度の高温炉で焼成する手法で、柔らかみのある白が美しく、長年変質しにくい利点がある。ただしその一方、熟練の技術も要求される。ちなみに、繊細なブランパンロゴとインデックスはエナメルペイント。
ムーブメントから自社生産するマニュファクチュールだからこその、コンプリケーション(複雑機構)も魅力だ。「ヴィルレ 8デイズ」は、6時位置のデイト窓と9時位置の曜日表示インダイヤルに加え、ダイヤル外周の53週表示、それを指し示すサーペント(蛇)針を持つ。なお、週表示の針が進むタイミングは日曜から月曜に変わる瞬間なので、ビジネスウオッチとしても使いやすい。曜日表示と週表示の針は、クラシカルなブルースチールだ。
これらのカレンダーを合わせる操作は、ブランパンが特許を持つ機構「アンダーラグコレクター」で行う。その名の通り、ラグの下に小さなプッシュボタンがあり、これを押すだけで調整が可能。11時位置のコレクターで曜日を、1時位置のコレクターで週を合わせる。ラージデイトを合わせるには、りゅうずを用いる。
ところで、アンダーラグコレクターの目的は、カレンダー操作を容易にするためでもあるが、それだけではない。これら2つのコレクターは時計を着用するとまったく見えず、ダブルステップベゼルを持つレッドゴールド製のケースのアウトラインをすっきりと美しく保つことができるのだ。ブランパンのコンプリケーションは、時計の洗練された美しさを実現するための技術でもある。
自動巻ムーブメントには、シリコン製ひげゼンマイとチタン製のテンプを採用。パワーリザーブは8日間。ケースサイズは42mm。風防はフロント、バックともサファイアクリスタルで、3気圧防水。ストラップはアリゲーター。価格は355万円で、今秋以降発売予定。