【レポート】

Windows 10 Fall Creators Updateで復活する "あの機能" - 阿久津良和のWindows Weekly Report

Microsoftの開発者向けカンファレンス「Build 2017」では、Windows 10の次期大型アップデートとなる「Windows 10 Fall Creators Update」に関する新機能が多数紹介された。中でも筆者が注目するのは、OneDriveの「Files On-Demand」機能だ。今後、夏ごろにWindows 10 Insider PreviewでFile On-Demandのサポートが始まり、Windows 10 Fall Creators Updateで一般公開される予定だ。

Files On-Demandの話をする前に現状を整理したい。例えば、OneDriveストレージに保存したデータの容量よりも、PCなどローカルストレージ側の空き容量が小さい場合、完全に同期することは不可能だ。そのため、現行のOneDriveには同期するフォルダーを取捨選択する機能が備わっているのだが、これはWindows 8.1が備えていたプレースホルダー機能に比べて、後退したと言わざるを得ない。

Windows 10のOneDriveクライアント。同期するフォルダーの選択が可能

Windows 8.1のプレースホルダー機能は、OneDriveストレージ上にあるファイルが未同期でもローカルストレージにあるように見せかけ、ファイルを開く際にダウンロードするという仕組みだ。使用頻度の低いファイルの実体はクラウドにしか存在せず、ローカルストレージの容量を無駄遣いしない有用な機能だったものの、Windows 10では廃止されている。

Windows 8.1のOneDriveフォルダー。「利用可能性」が示すように、オフラインでも開けるファイルと、オンラインアクセスが必要なファイルが混在する

このプレースホルダーのWindows 10版となるのがFiles On-Demandだ。公開された画像を見ると、エクスプローラーの列に「Status」が加わり、クラウドのみ/同期中/オフラインで利用可能、これら3つの状態をアイコンで示している。Windows 8.1と同じくエクスプローラーのコンテキストメニューから操作することで、クラウドのみ/オフラインで利用可能を切り替えられるようだ。また、未ダウンロードのファイルをダブルクリックすると、エクスプローラーがダウンロード処理を行い、そのまま関連付けられたアプリケーションで開くことができる。Files On-Demandは、OneDriveおよびOneDrive for Businessだけでなく、SharePointチームサイトでも利用可能だ。

ファイルのコンテキストメニューから、デバイスに常に保存する項目をクリック

これでクラウド同期が始まる。アイコンの形状に注目してほしい

同期が完了するとアイコンの形状が変化し、オフライン操作が可能になる

Microsoftの公式ブログでは、Android版やiOS版のOneDriveクライアントについても言及しており、オフライン環境でもOneDrive上のファイルにアクセスできる「OneDrive Offline Folders」を新たに用意する。他のユーザーがファイルに変更を加えた場合、自動的に更新されるとのことだが、その差異をどのように扱うかまでは説明していない。こちらの対象となるのはOneDriveおよびOneDrive for Business。直近はAndroid版を更新し、数カ月以内にiOS版へも展開する。iMessage上でデバイス上のファイルを容易に共有する「OneDrive for iMessage」も新機能として加わる予定だ。

矢印の先にあるのが「OneDrive Offline Folders」と思われる

iOSデバイス上のOneDriveファイルを共有する「OneDrive for iMessage」

さて、OneDriveの歴史を振り返ると、商標権の問題から名称を変更したり、当初「Office 365ユーザーは容量無制限」とうたったが、結局1TBに制限するなどの紆余曲折があった。さらにMicrosoft SharePoint上の共有フォルダーを利用する機能もブランド戦略の一環で「OneDrive for Business」に改称したものの、操作性の一貫性を欠くなど多くの問題を抱えている (ただし、現在のOneDrive for Businessはエクスプローラーとの融合も進み、改善しつつある)。

このような背景から筆者はOneDriveに不信感を覚えていたが (容量問題に関してはいまだ口惜しい思いが残る)、Microsoftが新たに提唱するIntelligent Cloud構想を構成するマルチデバイスでは、OneDriveの存在感が大きく高まる。同社が取り組みユーザビリティの向上を注視したい。

阿久津良和(Cactus)

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