【レポート】

Victorブランドから、自分専用の"持ち運べるリスニングルーム"「WiZMUSIC」が登場

1 ヘッドホンなのにスピーカーで聴くようなサウンドを楽しめる

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Victorブランドの復活劇は今年3月、「EXOFIELD」(エクソフィールド)技術の発表で幕を開けた。再生音像を頭の中に感じる"頭内定位"が前提のヘッドホンリスニングだが、長い開発期間を経て実用化に漕ぎ着けたEXOFIELDにより、ヘッドホン使用時でも眼前にスピーカーがあるかのような"頭外定位"と音場感を再現するという。本稿では5月11日に開催された新サービス発表会の内容をレポートする。

WiZMUSICのコア技術「EXOFIELD」のしくみ。ヘッドホンでもスピーカーのようなサウンドが楽しめるのが特徴

EXOFIELDを利用して開発された「WiZMUSIC90」システム

従来のヘッドホンにおける頭外定位技術は、標準化されている頭部伝達関数を用いた演算処理を基本とするため、耳や顔の形状など個人の特性を反映できず、最大限の効果を発揮することが難しかった。一方EXOFIELDでは、個人の耳や顔の形状だけではなく、スピーカーやヘッドホンなどの再生機器、リスニングルームを含むすべての音響特性を測定/解析し、そのデータを使い個々人に最適化した信号処理を実施する。MEMSマイクを使用した超小型の「耳内音響マイクシステム」を新規開発したのも、個人特性の測定に必要だからだ。

新開発の「耳内音響マイク」。耳穴に差し込む形で設置する

「コト」と「モノ」のパッケージサービス

発表された「WiZMUSIC」は、そのEXOFIELDを軸としたパッケージサービス。『「コト」と「モノ」の業界初のパッケージサービス』(JVCケンウッド メディア事業部 プロダクツビジネスユニット長 秋山啓司氏)として、リスニングルームで個人の音響特性測定などソフトウェア/コンテンツと、専用ヘッドホンやヘッドホンアンプなどハードウェアをセットで提供。Victor創立90周年記念商品として、専用サイト限定で受付が行われる。

パッケージは「WiZMUSIC90」と「WiZMUSIC30」の2種類

パッケージは「WiZMUSIC90」と「WiZMUSIC30」の2種類を用意。どちらもEXOFIELD技術を前提とするため、ユーザーがリスニングルームまで出向き専門スタッフによる個人特性データ測定サービスを受けること、新開発のヘッドホン「HA-WM90」が付属することは共通だが、それ以外の内容は多少異なる。価格はWiZMUSIC90が90万円、WiZMUSIC30が30万円(いずれも税込)。体験して気に入った場合に正式な購入予約に進む形だ。

WiZMUSIC90付属のハードケースには、ヘッドホン「HA-WM90」などの製品とともにシリアルナンバーが刻印されたプレートが収められている

WiZMUSIC90には、フルバランス接続対応のヘッドホンアンプ「SU-AX01」がバランスケーブルとともに付属する

WiZMUSICの音楽再生アプリ。Android・iOS両対応

「WiZMUSIC90」と「WiZMUSIC30」の違い

WiZMUSIC90では、リスニングルームとしてビクタースタジオ内の「EX Room」を使用する。名門スタジオの音が自分のプライベート環境で再現できるというわけだ。スタジオはエンジニアにより音質・音場チューニングが施され、個人データの測定は本人と家族3名の4名分まで対応するという。付属のハードウェアは、ヘッドホンアンプにフルバランス接続の「SU-AX01」、さらにバランスケーブルも付属する。200曲相当のハイレゾ楽曲(エンジニア厳選30曲+170曲相当のフリークーポン)とビクタースタジオの見学体験という特典も付いている。

ビクタースタジオ内「EX Room」。WiZMUSIC90では、この環境で個人データを測定する

EX Roomは、楽曲制作時の音づくりやマスター音源の確認にも使用されるスタジオであり、ウッドコーンスピーカーやヘッドホンなど、JVCケンウッド製品の音質チェックにも活用されている。「ビクタースタジオの中でもユーザとの架け橋となりうるジャストなスタジオ」(JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント ビクタースタジオ エンジニアグループゼネラルマネージャー 秋元秀之氏)であることが、WiZMUSIC90のリスニングルームに選ばれた理由とのことだ。

一方のWiZMUSIC30は、リスニングルームがJVCケンウッド監修の指定ルーム(後日WEBサイトで公開)となり、付属のヘッドホンアンプはアンバランス接続の「SU-AX7」。また、バランスケーブルとハイレゾ楽曲はセットになっていない。

共通のヘッドホン「HA-WM90」

共通のヘッドホン「HA-WM90」は、新開発40mmドライバを搭載。160年間湖底で眠り続けたという希少木材「アクアティンバー」をハウジングに採用することで、「現代の木材に比べ木目細かく硬質」(JVCケンウッド メディア事業部 プロダクツビジネスユニット WiZMUSICプロジェクトリーダー 齋藤靖之氏)という特性により小さな減衰比と高い伝達性を獲得、クリアで自然な音を出すという。ドライバーユニットを直接ハウジングに固定する「ダイレクト・マウント」方式の採用も、不要な振動や共鳴の低減を狙ったものだという。イヤーパッドには新開発の低反発素材を使うほか、ヘッドバンド部には人工皮革「ウルトラスエード」と本革シープスキンを施すなど、質感・装着感にもこだわりをみせる。

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目次
(1) ヘッドホンなのにスピーカーで聴くようなサウンドを楽しめる
(2) 開発中のEXOFIELDで、"頭外定位"を体験してきた
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