海外販売も開始

ところで、海外でも販売は行われているのか。そのときのサポート体制はどうなっているのだろう。聞けば、海外向けは2014年から開始しており、日本と同様の販売・サポートシステムを築いているという。

販売店で取り付け、問題が生じればパイオニアの海外販社を通じて対応する。米国、欧州、豪州、台湾といったように、サイクル事業を始める前から、有力な地域には海外販社が存在しており、現地でサポートできる体制があったのだ。このため、故障しても購入先の国でサポートを受け、計測期間のロスが少なく対応できる体制を組めているという。

ペダリングモニターシステム販売の海外ネットワーク。米国、欧州、豪州、台湾と自転車人気の高いところに拠点がある。パイオニアの既存事業の拠点であり、偶然の一致で重なったという(パイオニア資料より)

こうして、パイオニアは国内、海外に販路を築き、サイクル事業を軌道に乗せることに成功した。パイオニア全体から見れば、まだ小さな存在だが、当初3人で始まった事業は今や開発・設計・営業人員を抱えるまでに成長している。

苦労を重ねて成功したパイオニアのサイクル事業。"ペダモニ"と略称で呼ばれるようになり、パワーメーター市場ではブランド力を有するまでになった。しかし、それは束の間のことに過ぎないのかもしれない。なぜなら、自転車界の巨人、シマノが今夏にパワーメーターを発売するからだ。パイオニアに打つ手はあるのか。どう立ち向かっていくのか。