米Microsoftが2016年5月10日(現地時間)から開催中の開発者向けカンファレンス「Build 2017」。1日目に引き続き、2日目の基調講演で発表された新テクノロジーや製品に関する最新情報から、キーポイントを取り上げて紹介する。

2017年秋の大型アップデート「Fall Creators Update」

最初に登壇したのは、さらに痩せて別人にようになったMicrosoft EVP, Windows & DevicesのTerry Myerson氏。今後は一定のタイミングで大型アップデートをリリースするWindows 10について、Microsoft Graphと連携し、人と人、もしくは人とデバイスを有機的につなげていくと語る。

Microsoft EVP, Windows & DevicesのTerry Myerson(画像はすべてライブキャストから抜粋)

Windows 10に対する3つの注力ポイント

まず紹介されたのは「フォト」の機能強化。例えば、タグ化された登場人物に対してペンでメッセージを書き込むと、動画中で登場人物が走るとメッセージも追従する。また、Remix 3Dから3Dオブジェクトを取得して、動画内のサッカーボールを「ファイヤーボール」に置き換えたり、ゴールした瞬間に爆発させたりするなど、2D画像を加工する感覚で動画編集が行われた。

「フォト」は大幅な機能拡張を行い、昔のムービーメーカー的な機能を備える

Remix 3Dから3Dオブジェクトを取得し、動画を加工することも可能

Project NEON、改め「Microsoft Fluent Design System」発表

以前から、Windows 10自身やアプリケーションのデザインを刷新する「Project NEON」の存在がささやかれてきたが、Microsoft CVP, WindowsのJoe Belfiore氏は「Microsoft Fluent Design System」の存在を明らかにした。

Microsoft CVP, WindowsのJoe Belfiore氏

今回発表した「Microsoft Fluent Design System」

流動性を重視した新デザインは「Light」「Depth」「Motion」「Material」「Scale」と5つの要素に分かれる。明暗や深み、動きなどをUIやウィンドウデザインに持ち込んでいくという。

Microsoft Fluent Design Systemを構成する5つの要素

他方で、利用者が増加したWindows Inkの活用方法も大きく広がる。デモンストレーションでは、Bingの検索ボックスを用いた手描き入力や、Microsoft EdgeでPDFファイルを開き、ペン入力をそのまま保存する機能を披露した。

ペンによる手描き入力範囲はWeb上のテキストボックスにも広がる

PDFファイルへのペン手描き入力も保存可能になる