【レポート】

シャープ、売却した旧本社は今? 創業者の知られざる意図とは?

1 生き残りをかけ売却された旧本社

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大阪市阿倍野区の旧シャープ本社の袖看板が撤去されてから、1カ月経過しようとしている。

4月15日 旧シャープ本社の袖看板。撤去に向けて白いカバーをつける作業をしている

旧経営体制時に売却された2つの建物

旧本社は、鴻海傘下に入る以前の旧経営陣が、構造改革の一環として、2016年3月にニトリに売却。同時に、本社の向かいにある田辺ビルも、NTT都市開発に売却していた。2つの拠点をあわせた売却金額は約188億円だったという。聖域を設けない構造改革の取り組みの象徴的なものであったが、いま考えると、この金額で歴史的な場所を売却したことは惜しいといわざるを得ない。

(左から)旧シャープ本社、田辺ビル。両方とも旧経営体制のもとで、売却された

2016年4月2日に開催された、鴻海によるシャープ買収の契約締結の会見では、のちにシャープの社長となった戴正呉氏(鴻海グループ副総裁)が、「あの場所は、シャープの歴史がある場所。できれば買い戻したい」と驚きのコメントを発し、ニトリおよびNTT都市開発と買い戻しの交渉をはじめた。結果として、NTT都市開発から田辺ビルの買い戻しに成功したものの、ニトリからの旧本社ビルの買い戻しには失敗。ニトリでは、2017年3月27日から解体工事を開始しており、現在も着々と解体工事が進められている。

現在の旧シャープ本社ビル。白い板で仮囲いされ、ニトリの垂れ幕が……。

計画によると、ゴールデンウイーク明けまでに内装の解体が終了しており、今後4期にわけて、躯体の中抜きや壁倒しなどの作業が行われ、5月20日以降、10トンダンプ一日最大50台を使用して、コンクリートガラの搬出作業が行われるという。8月31日までには解体工事が完了し、整地された様子が見られることになりそうだ。

4月15日。囲いの中では、解体作業が進められている

「SHARP」の大看板はいつ撤去される?

解体工事において、関係者などの関心は、屋上に掲げられた「SHARP」の大看板の撤去だ。4月15日夜には、道路に面した袖看板が撤去されたが、象徴的もいえる大看板が降ろされることで、シャープの旧本社は完全になくなるともいえる。

だが現在、その場所には、仮囲いされ、外から様子を見ることができない。そのため、大看板を撤去する作業の様子は、残念ながら見ることができそうにないのだ。ニトリ側でも撤去する具体的な時期については公表していない。関係者によると、5月中にも、この看板が撤去される可能性が高いという。

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目次
(1) 生き残りをかけ売却された旧本社
(2) 東京から大阪へ
(3) 第2の創業
(4) 第3の創業は?
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