最も価格の安いクルマだからこそ安全に

ミラ イースはダイハツで最も低価格なクルマ。三井社長によると、購入者は地方に住む高齢者が多いという。こういった車種だからこそ、安全性能の強化が最優先の課題だとダイハツは判断したようだ。クルマの安全性能という意味では「自動運転に関する議論もあるが、その前にやることがある」と語った三井社長。誤発進など、高齢者が関わる事故のニュースを少しでも少なくしたいというのが同氏の思いだ。

新型ミラ イースが採用するスマアシⅢは、歩行者にも対応できる衝突警報・衝突回避支援ブレーキ機能や、前方・後方の誤発進抑制制御機能など、さまざまな安全性能を備えている。ダイハツによると、世界最小サイズのステレオカメラを使うことで、車高が低く、フロントガラス面積の狭い同車にもスマアシⅢの搭載が可能になったそうだ。

新型ミラ イースでは安全性能を全面的にアピールしている

ダイハツは安全性、競合他社はどう出る?

初代ミラ イースでは燃費と価格で軽自動車の存在意義を再定義したダイハツだったが、競合他社が燃費性能で追随する中、優位性を発揮できるポイントを探った結果が、安全性能の強化という施策につながったようだ。新型車の受注は始まっているようだが、すでに注文した顧客の8割以上がスマアシⅢ搭載モデルを選んでいるというから、安全性で訴求するという戦略は機能しているのかもしれない。

最新のスマアシを搭載しているのは「タント」と今回のミラ イースのみ

燃費と価格の次に、軽自動車は何で勝負するのか。ダイハツは新型ミラ イースで安全性という方向性を示した。スズキなどの競合他社が、どのようなポイントを推してくるのかにも注目したい。