クアルコムは、2017年5月10日から12日にかけて、東京ビッグサイトにて開催されている「Japan IT Week 春 2017」内の「第6回 IoT/M2M展」において、IoTや自動車分野でのSnapdragonの活用デモを行っているほか、同社が買収したCSRの技術を用いたCSRmeshを用いたデモなどを行っている。

Snapdragon 820Automotive module(SD820Am)を用いたデモは前回も行っていたが、今回は「次世代コネクテッドインフォテイメントデモ」と銘打たれたもので、フルHDのインフォテイメントディスプレイとフルHDのデジタルクラスタディスプレイの同時表示を行うというものとなっている。また、このほか、各社の通信モジュールの展示やVision-only Simultaneous Localization And Mapping(VSLAM)のデモなども行われている。

CSRmeshを活用し、他社ブースと連携

また、クアルコムはアットマークテクノのブースでも取り上げたCSRmeshデモに参加する1社で、同企画の提案者の1社でもある。

このデモは、Appleのスマート家電用プラットフォーム「Homekit」とBluetooth Meshを組み合わせたもので、同社と上述のアットマークテクノのほか、サイレックス・テクノロジー、マクニカの4社が協力して行っている。クアルコムブースには、環境センサ、人感センサ、そして照明モジュールが3つ置かれているほか、それらの状況を確認できるiPhoneも置かれている。

CSRmeshデモの全体概要。各社ブースを家の各部屋に見立てている

話を聞いたところによると、この企画が持ち上がったのが4月中旬であり、この展示会に間に合うかどうかわからなかったが、意外とすんなりと開発は進み、5月頭の大型連休を経て、展示会までに実動にこぎつけたという。こまごまとした苦労はあったようだが、会場でも途切れずに常に動作していることが確認されたこともあり、CSRmeshの使い勝手や、開発における筋の良さが証明されることにつながったようだ。

クアルコムブースに設置されているCSRmeshデモ用の各種モジュールと、それぞれのモジュールの状態を表示しているiPhone。Homekitに対応しているので、Siriに指示を出して照明をつけたり、温度を確認したり、といったこともできる

ちなみに、会場はクアルコムブースの斜め向かいにアットマークテクノとサイレックスのブースがあるのだが、マクニカのみ間に2社ほどブースが存在しており、距離的に離れている。そのため、メッシュネットワークの強みを活かして、サイレックスブースの機器が間に入ることで、マクニカ-クアルコム間の通信を実現している。

クアルコムブースからアットマークテクノブースを見た様子。これであれば、届かないこともない、という印象を与える距離感といったところである