JR博多駅筑紫口側(新幹線側)に直結する博多デイトス。博多名物やお土産はもちろん、「博多めん街道」や「博多ほろよい通り」など、グルメスポットがずらりと並ぶ人気の施設で、このほど8年ぶりに大型リニューアルが行われた。今回のリニューアルでは、地元で愛されている名店が続々出店。その地域で暮らしていなければなかなか味わうことのできない一品が、気軽に楽しめる。中でも、近々来福する予定がある方には、ぜひとも足を運んでほしい、2店を紹介しよう。

一番人気の味噌ラーメンと"半チャン"がセットになった「半チャンセット」(900円)

行列に並んでようやくありつける、幻の"半チャン"

博多デイトスの中でも、多くの集客を誇るグルメエリア「博多めん街道」。博多屈指のラーメン店がずらりと並ぶ、九州最大のラーメンゾーンにお目見えしたのが、「博多川端どさんこ」だ。本店は、博多の総鎮守としておなじみ、「櫛田神社」のすぐそば、博多川端商店街にあり、オープンと同時に行列ができる創業半世紀の老舗。味噌、醤油、塩ラーメン、博多皿うどんをメインに展開している。

行列客のお目当てのほとんどは、アツアツの味噌ラーメンのお供、半人前のチャーハン"半チャン"。火傷しそうなほど熱い、うまみたっぷりの味噌ラーメンと、玉ねぎの甘み、塩みのバランスが絶妙なふんわりチャーハンのコンビは、食欲が倍増するおいしさだ。

通常の炒飯の半分の量の「半チャン」(300円)。玉ねぎ、にんじん、自家製焼豚、ねぎ、卵と具材はシンプルだが、格別においしい!

しかし、半チャンを頼むためには暗黙のルールがあり、同じタイミングで半チャンを注文してくれる人がいなければ、オーダーできない。つまり、半チャン2人分、1人前単位でしか作ってもらえないということになる。

それなのに……博多デイトス店では、なんと「半チャン」(300円)がいつでも味わえるようになっていた!

「今回の出店にあたり、半チャンも1人前と同じ火力で作れるように、具材の切り方、火力の調節を細かいところまで何度も調整しました。それでようやく、本店と同じ火力、味加減、食感で半チャンを提供できるようになりました」(金谷陽介 店長)。

スタッフは開店前に、毎朝フライパンを振り続けて練習を重ねる。およそ約1年を過ぎたころから、お客さんへ提供するチャーハンを作れるようになる。また、スタッフみんなでマラソンや筋トレも実践中! チームの結束力の強さが、おいしい炒飯を作るベースになっている

博多川端どさんこが、何よりも大事にしているのは「火力とチームワーク」とのこと。熱をしっかりと鍋に移し、焦がさないように一気に仕上げるチャーハンは、火の入れ方や回し方で味が変わってしまう。そのため、本店では"1人前単位"で作ることにこだわっていたが、今回の出店で、これまでの味を変えずに、単品で半チャンを提供することに成功したそうだ。

創業以来、先代から大切に継承されてきた確かな技術により、そのおいしさを支えている同店。これまでは、行列に並び、同じタイミングで注文がなければ味わえなかった幻の半チャンを、ぜひこの店で味わっていただきたい。

開店すぐの11時にはほぼ満席。常連客が多く、スタッフが客の顔と注文するメニューをほぼ覚えているのも同店の特徴

●information
博多川端どさんこ
所在地: JR博多駅筑紫口側直結・博多デイトス2階 博多めん街道
営業時間: 11~23時(L.O: 22時半)
定休日: 施設に準ずる

1,000円で酔える「千ベロセット」も! 近海ネタ充実の立ち喰い寿司

また、デイトス1階「博多ほろよい通り」にオープンした「立ち喰い寿司酒場 すし吉三平」も、立ち寄ってもらいたい店のひとつ。たった4坪と店舗は狭いが、コスパ抜群の寿司店だ。"漁師直送"の活魚と、その日の朝に水揚げされた鮮魚から、オーナー自ら買い付けた近海ものの魚介を提供している。

その日に入荷した特別なネタによる握りを3貫盛った「三平盛3貫」(540円)。この日は左から、こち、のどぐろ、鯖だった

寿司はオーダーごとに握ってもらえる。ネタのおいしさを知り尽くした店長の三浦さんによる1貫をぜひ!

定番ネタはもちろん、博多名物の「鯖(サバ)」(175円)、「鯵(アジ)」(140円)、「鰯(イワシ)」(108円)といった青魚が充実。ネタの風味や食感が引き立つよう、シャリの大きさや醤油にもこだわっている。

さらに、おすすめ握り3貫、寿司屋のおつまみ、お好きな飲み物1杯がセットになった「三平の千ベロセット」(1,080円)や、寿司5貫に巻物が付いた「長浜盛ランチ」(810円)など、セットやランチメニューも豊富。オープンしてまだ間もないが、特に県外客から好評を得ているという。

「ネタは毎日、漁師さんと直接やりとりしたものや、オーナー自ら市場で競り落として仕入れてきたもので、鮮度と種類にこだわっています。ネタの持ち味を存分に味わって欲しいからこそ、"立ち喰い寿司屋"という形態にこだわりました」(三浦熊作 店長)。

隣接している姉妹店「長浜鮮魚卸売直営店 炉端 魚助」では、寿司の提供をしていないとのこと。わずか4坪の空間で、寿司のみにこだわって提供するからこそ、ごまかしがきかない。ネタの魅力で直球勝負というわけだ。

同店には、日替わりでさまざまな玄界灘や九州近海の海の幸がお目見えしている。「新幹線の出発まで、あと30分!」でも大丈夫(かもしれない)! 新しくなった博多デイトスで、最後の最後まで、博多自慢の一品を楽しんでみてはいかがだろうか。

姉妹店・炉端 魚助のすぐ隣に店を構える。女性のおひとりさまの来店も多いそう

●information
立ち喰い寿司酒場 すし吉三平
所在地: JR博多駅筑紫口側直結・博多デイトス1階 博多ほろよい通り
営業時間: 11時~24時(L.O: 23時半)
定休日: 施設に準ずる

※記事中の情報・価格は2017年4月取材時のもの。価格は税込