業績不振が伝えられてきたツイッター。2017年4月26日に発表した2017年第1四半期決算(1~3月)からは、復活の兆しが見え始めた。

業績不振が続くツイッターだが重要視表には回復の兆しも

売上高は5億4,800万ドル。前年同期比8%減となった。しかし純損失は6,200万ドルとなり、前年同期から23%縮小した。これらの数字は、アナリストによる予測よりも良い結果であり、発表後株価は上昇し、好感を持って受け入れられた。

売上の内訳は、広告が大半で4億7,400万ドルだが、これは前年同期比で11%減少した。また7,400万ドルの売上となるデータのライセンス等は17%増加している。

ユーザー数は増加傾向に

広告売上は減少しているが、それでも好感を持って受け止められたのがユーザー数の増加だ。

月間アクティブユーザー数は3億2800万人で、前年同期比6%増となった。また日間アクティブユーザー数は、14%増となったが、具体的な数字は示していない。

2017年1Q決算で月間アクティブユーザー数は3億2800万人に(図表:ツイッター公表資料をもとに編集部で作成)

ユーザー数については、競合となるソーシャルネットワーキングサービスであるフェイスブック、インスタグラムに引き離されており、スナップチャットの成長率も手強い状態だ。ユーザー数はそのプラットホームの広告価値と直結することから、ユーザー数の増加は将来の業績を測る上での重要な指標となっている。

2017年1Q決算でフェイスブックの月間アクティブユーザー数は19億人以上に(図表:フェイスブック公表資料をもとに編集部で作成)

しかしながら、ツイッターは、業績こそ悪いものの、米国で暮らしている人々にとって、そしてメディアや政治の世界では浸透している、なくてはならないサービスとなっている。

特に、ドナルド・トランプ大統領が選挙期間中から積極的にツイッターによる情報発信を行ってきたことは知られており、現在でも、同氏のアカウントは、重要な政治ニュースの発信場所として注目を集めている。

また、アップルをはじめとする米国の大企業の首脳もツイッターアカウントを持っており、また航空機の座席に関するユナイテッド航空と乗客との間のトラブルについても、ツイッターでのビデオ共有で明らかになった。

米国のスマートフォンユーザーの間で、ツイッターは、確実に「双方向のリアルタイムニュース媒体」としての認知が拡がっており、これを月間ユーザー数という数字と、それを根拠とした広告売上につなげていけるかどうかに注目が集まっている。

簡単に言えば、モバイル時代になくてはならない、誰もが知っているサービスだが、儲かっていない、ということだ。

共同創業者の1人、ジャック・ドーシー氏がCEOに就いてから、改革が続いている。ユーザー数の増加や赤字幅の減少など、数字の面では改善が見られつつあるが、ユーザーに対して、より分かりやすい「ツイッターを使うべき理由」を打ち出していくことが重要だ。