例年9月にドイツ・ベルリンで開催される世界最大級の家電製品展示イベント「IFA」。2017年の開催に先立って、世界各国のメディア関係者にその概要を説明する「IFA Global Press Conference (IFA GPC)」が4月21日と22日にポルトガル・リスボンで行われた。

メイン会場は「Brands Only Show」

IFA GPCでは、メッセ・ベルリン CEOのクリスチャン・ゲーケ氏がIFA2017の開催概要を説明した。IFA2017は9月1日~6日、ドイツ・ベルリンの「Messe Berlin」をメイン会場に開催される。ゲーケ氏は、「more Space for Brands」と「a new Space for Innovation」をキーワードに今年の目玉となる取り組みを提示した。

メッセ・ベルリンのCEO、クリスチャン・ゲーケ氏。同社がIFAを主催している

この2つのキーワードを具現化するにあたっては、まず昨年拡張したOEM/ODM出展社向けの別会場「IFA Global Markets」のコンセプトをより徹底。これまでメイン会場に出展していたOEM/ODMメーカーおよびコンポーネントメーカーを今年はIFA Global Marketsに集約し、欧州最大の「Sourcing Show」としての役割を持たせる。この取り組みによって、メイン会場はコンシューマー向け製品を扱うブランドが集まる「Brands Only Show」としての性格がより明確化される、という狙いだ。

さらに、メイン会場のHall 26には「IFA NEXT」と名付けたゾーンを新設。IFA NEXTは同心円状のレイアウトを採用し、中央にフォーラム会場、外周に展示スペースを設け、調査・研究機関やスタートアップ企業を中心としたイノベーティブなゾーンとする。

IFA Global MarketsにBtoB系の出展社を集約。メイン会場のMesse Berlinとシャトルバスで結ぶ

Hall 26にIFA NEXTを新設。日本のスタートアップ企業の出展にも期待しているとのこと

基調講演のオープニングを務めるのは、フィリップス CEOのピーター・ノタ氏

2017年は9月1日~6日の開催。主要メーカーのプレスカンファレンスは8月30日から始まると思われる

メッセ・ベルリン IFAグローバル統括本部長のイエンズ・ハイテッカー氏。日本メディアからのインタビューに応じ、IFA2017の概要説明を補足した

ゼンハイザーなど新製品を披露

今年のIFA GPCでは、ゼンハイザーやポルシェデザイン、サムスン、フィリップスなどが新製品を紹介・展示した。日本国内に向けての発売計画がないものも含まれるが、どれもインパクトの強い製品だったので以下、写真を中心にレポートしよう。

ゼンハイザーの「AMBEO Smart Headset」は今回もっとも筆者の琴線に触れた製品だ。左右のイヤホンの外側にマイクを備えた、Lightning接続のヘッドセットであり、使用者の耳で聴いたような音場を再現する「バイノーラル録音」が可能だ。ゼンハイザー CEOのアンドレアス・ゼンハイザー氏がプレゼンテーションを行った

ゼンハイザーは「AMBEO Smart Headset」を披露

ポルシェデザインは、デタッチャブル式かつ360度回転式の2in1 モバイルPC「BOOK ONE」をアピール。2月のMWC2017でその存在は公開されていたが、筆者が現物を目にするのは、これが初だ。クルマのギアボックスをモチーフとしたヒンジ機構が物欲をそそる。残念ながら、日本に向けての発売予定は今のところナシ。

ポルシェデザインの「BOOK ONE」。価格は2,795ユーロとかなりお高め

サムスンの「THE FRAME」は、額縁に飾った絵のようなテレビ。フレームをカスタマイズして、インテリアとマッチさせて使用できる、画面サイズは55型、価格は2,199ユーロ。ちなみに、左の写真の下に並んでいる正方形の2枚はテレビではなく本当の絵だ

フィリップスは、ヘルスケア市場においてBtoB、BtoCの両面展開を推進。製品については、女性向けのアプリやIoT歯ブラシを紹介した