ゴールデンウィーク、最初の2連休で仕事のつかれも取れるという人は多いだろう。1日2日と出勤を乗り越えれば、こんどは5連休だ。人によっては、1日から2日も休みという人もいるかもしれない。

いまから旅行の計画を立てるのはちょっとむずかしい。ホテルなどの予約はもう埋まっているだろう。それならばせめて、日帰りでどこか行ってこれないか。そんなときにチェックしたいのは鉄道会社のホームページだ。そこには、おトクなきっぷの情報が掲載されている。日帰りの小旅行なら、その日の気分でぶらりと出かけられる。そんなときに便利なきっぷを紹介しよう。

魚か肉か? お食事券つきのおトクなきっぷ

京浜急行は、「みさきまぐろきっぷ」と「よこすかグルメきっぷ」という2種類のお食事券つききっぷを販売している。

「みさきまぐろきっぷ」は、京浜急行各駅から三崎口までのの往復乗車券と、まぐろ料理のお食事券、レジャー施設の優待券もしくはお土産券が1セットになったきっぷである。品川からならば、おとなは3,060円。品川から三崎口までの往復が交通系ICカード使用で1,852円であることを考えると、飲食費も込みでこの価格なら、たいへんおトクである。しかも、普段はちょっとお高い新鮮なまぐろを食べられるということもあってか、このきっぷは人気が高い。途中下車も可能で、帰りに横浜に寄る、なんてこともできる。

お肉がいい、という人には、「よこすかグルメきっぷ」がおすすめだ。ヨコスカネイビーバーガーやよこすか海軍カレーなどのお食事券と、京浜急行各駅からの往復乗車券がセットになっている。品川からならおとな2,030円。汐入から浦賀までのフリー区間は乗り放題だ。なお、品川から浦賀までの往復は1,562円である(交通系ICカード使用)。また、きっぷの提示により優待施設で割引が受けられる。

中華をたのしむおトクなきっぷ

肉も魚も…… と思う人には、中華がいいかもしれない。東急電鉄の「横濱中華街 旅グルメきっぷ」は、東急線とみなとみらい線の1日乗り降り自由の乗車券と、横濱中華街対象店舗のお食事券がセットになっている。料金はおとな2,500円。渋谷から元町・中華街の往復が954円(交通系ICカード使用)であることを考えるとちょっと高い気もするが、中華街の本格的な中華料理一人1,500円程度で食べられることを考えると、やはりおトクであろう。もちろん、乗り降り自由なので、みなとみらい線沿線の横浜都心部などを見て回るのもよい。

東急に乗り入れている西武鉄道も、同種のきっぷを発売している。「西武横濱中華街グルメきっぷ」は、東京メトロ副都心線を介して相互に乗り入れている西武鉄道が、東京メトロ副都心線とみなとみらい線の乗り放題に加え、西武鉄道と東急電鉄の往復乗車券、そしてお食事券とお土産券をセットにしたものだ。所沢からならおとな3,600円。往復で2,026円(交通系ICカード使用)ということを考えると、およそ1,500円で食事だけではなくお土産まであるという大盤振る舞いである。

「食」をテーマにしたきっぷは、往復の運賃に少し上乗せした程度で、おいしいものが食べられるようになっている。

人気の動物園 入場券つきのおトクなきっぷ

最近はアニメ『けものフレンズ』の人気もあってか、動物園に多くの人が押し寄せている。そんな動物園に行くにも、おトクなきっぷはある。東武鉄道が販売している、「東武動物公園きっぷ」だ。発駅から東武動物公園駅までの往復乗車券と、東武動物公園駅から東武動物公園東ゲートまでのバス往復乗車券、そして東武動物公園の入園券がセットになっている。北千住からならおとな2,340円。東武動物公園の入園料が1,700円、北千住からの往復が926円(交通系ICカード使用)であるだけでなく、入場券を買う待ち時間を考えると、便利なきっぷである。

関東の鉄道会社のホームページを見ると、ちょっとしたお出かけにおトクなきっぷが紹介されている。それを見て、ぜひどこかに出かけてみてはいかがだろうか。

著者プロフィール: 小林拓矢
1979年山梨県甲府市生まれ。早稲田大学卒。フリーライター。大学在学時は鉄道研究会に在籍。鉄道、時事社会その他についてウェブや雑誌・ムックに執筆。単著『早大を出た僕が入った3つの企業は、すべてブラックでした』(講談社)。ニッポン鉄道旅行研究会『週末鉄道旅行』(宝島社新書)に共著者として参加。

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