アウディの新型コンパクトSUV「Q2」のプレス発表会がこのほど都内で開催された。プレゼンテーションでは、ドイツ本社から来日したエクステリアデザイナー、マティアス・フィンク氏も登壇した。会場には実車が展示され、見学することができた。

アウディの新型コンパクトSUV「Q2」が発表された

大人気の国産コンパクトSUVと比べたくなるパッケージング

「Q2」はアウディが発売しているコンパクトSUV「Q3」よりサイズも排気量もひと回り小さくなったモデルだ。全長4,200mm×全幅1,795mm×全高1,530mmのボディに1.0Lターボエンジンまたは1.4Lターボエンジンの組み合わせで、FF車のみの設定となる。「Q3」がメルセデス・ベンツ「GLA」やBMW「X1」とよく比較されているのに対し、この「Q2」はいま人気となっているトヨタ「C-HR」やホンダ「ヴェゼル」などとも比べたくなるパッケージングで、日本の街にもよく似合いそうだ。最小回転半径も5.1mと小回りが利く。

実際に国産コンパクトSUVと比べるとなると、目につくのは価格帯の違いだろう。「Q2」は1.0Lモデルが299万円から、1.4Lモデルが405万円から(ともに税込)と、アウディ車としては気軽な価格ながら、国産モデルと比べると割高感がある。そんな中で「Q2」を選ぶ動機として、大きな根拠となりそうなのがデザインだ。

アウディジャパン代表取締役社長の斎藤徹氏はプレス発表会にて、「じつはQ2を最初に見たとき、いつものシンプルで美しいアウディとはちょっとデザインが違うなあと、少し戸惑いを感じました。あえて遊びの要素を入れ、これまでにない表情を出しています。A4に代表される"品行方正な兄"たちと比べると、Q2は"やんちゃな弟"」と、そのデザインについて説明していた。

当時30歳のデザイナーが「自分のため」に描いたクルマ

「Q2」のデザインについては、ドイツ本社から来日し、プレス発表会に登壇したエクステリアデザイナー、マティアス・フィンク氏からも説明があった。

マティアス・フィンク氏が「ポリゴン」によるデザインについて語った

フィンク氏が開発プロジェクトを統括する同僚から、「Q3よりも小さな、若者向けのモデルを作りたい」と相談されたのは2012年夏。当時30歳だったフィンク氏は、「自分のためのクルマを作ればいいんだ」と感じ、都会に住み、個性を重視し、レジャーもビジネスも大事にする若者が、すべてを1台でこなすことのできるクルマを思い描いたという。

こうした構想をデザインに落とし込むにあたり、ヒントとなったのは河原の小石だったそうだ。小石は長い距離を運ばれるうちに角が取れ、同じような形になっていく。しかし源流付近の"若い"石はどれも違った形で、ごつごつしていてエッジがある。

そこから着想を得て、「ポリゴン」(多角形)をモチーフにしたデザインが「Q2」に採用されたとフィンク氏は言う。実車を見学してみると、八角形のフロントグリルに五角形のエアインテーク、六角形が浮かび上がるショルダーラインなど、各所に「ポリゴン」のモチーフが見られ、個性の主張が感じられた。

「Q2」のエクステリア・インテリア。「Q2」の他に白の「Q3」も展示された

アウディ「Q2」は今回の発表と同時に受注を本格化。全国のアウディ正規ディーラーを通じての発売、および納車開始は6月中旬頃を予定している。