4月29日・30日、東京・中野サンプラザで春のヘッドフォン祭 2017が開催されている。本稿では、会場で見つけた気になる展示をまとめて紹介する。

Astell&Kern

長蛇の列ができていたのは、13階のAstell&Kernブース。ここでは新作ハイレゾプレーヤー「KANN」の試聴機が一般向けに初めて展示されている。

Astell&Kern「KANN」

KANNは、強力なヘッドホンアンプを内蔵したハイレゾプレーヤー。最上位「AK380」の専用アンプに迫る高出力を実現しているのが特長で、高インピーダンスのヘッドホンも余裕でドライブできるという。

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見た目はガッシリしているものの、手にすると意外と軽いことに驚き。底面にはSDカードとmicroSDカードスロット(この2系統と内蔵メモリーを合わせた最大容量は576GB)のほか、USB Type-Cとmicro Bを装備している。

新色のブラック、ゴールド、レッドを加え、7色展開となった「AK70」も展示

オンキヨー&パイオニアイノベーションズ

14階オンキヨー&パイオニアブースでは、パイオニアのハイエンドヘッドホン「SE-MONITOR5」に注目だ。

SE-MONITOR5

SE-MONITOR5は密閉型のモニター向けヘッドホンで、自社開発ドライバーを搭載。振動板にはセルロースナノファイバーを使用している。また、ベロアとレザーの2種類のイヤーパッドを同梱したり、ケーブルがバランス(1.6m、4極/2.5mm)、アンバランス(1.6m、3極/3.5mm)、アンバランス(3.0m、3極/3.5mm)のn3種類が付属したりなど、様々な楽しみ方を提案。サウンドはポジティブで「活きがいい」印象だ。

Shure

11階Shureブースでは、iPhoneなどのLightning端子に直結するイヤホンケーブル「RMCE-LTG」を試用できる。こちらは、1月にラスベガスで開催された「CES 2017」で展示されていたものだ。日本での発売は5月ごろになる見込みで、推定市場価格は11,800円前後。

Shure「RMCE-LTG」

端子はMMCXで、同じ端子ならShureのイヤホン以外も使用可能。リモコン部にはDACだけでなくアンプも内蔵しているため、ポータブルアンプいらずでパワフルなサウンドが楽しめるという。

beyerdynamic

beyerdynamicは、29日に説明会を開催し「IMPACTO ESSENTIAL」を発表。beyerdynamicの高インピーダンスヘッドホンをスマートフォンに直接つないで鳴らせる、ヘッドホンアンプ搭載ケーブルだ。端子はUSBで、microUSBモデル、USB-typeAモデル、USB type-Cモデルの3種類を展開する。主にAndroid端末やPC、Macbookとの組み合わせを想定。iOS対応(Lightning接続)モデルは、開発検討中だという。

beyerdynamic「IMPACTO ESSENTIAL」

接続のイメージ。高級ヘッドホンとスマートフォンをシンプルに接続できる

PCM 384kHz/32bit、DSD 5.6MHzの再生に対応。原稿執筆時点で対応するヘッドホンは、インピーダンスが600Ωの「T1 2nd Generation」、32Ωの「T5p 2nd Generation」、250Ωの「AMIRON HOME」の3機種だ。海外では発売が6月、価格が329ユーロとなっている。日本での発売時期や価格は未定。

Acoustic Research

11階Klipsch / Acoustic Researchブースでは、Acoustic Researchの新作ハイレゾプレーヤー「AR-M200」を参考出品していた。

Acoustic Research「AR-M200」

AR-M200は推定4万円台ながら、DSD 11.2MHzをサポートするなど高スペックを備えたモデル。注目なのは、4.4mmのバランス接続端子を搭載していることだ。4.4mm端子を搭載するポータブルプレーヤーは、ソニーのウォークマン「WM1A」「WM1Z」以来ではないだろうか。DACチップは「AKM AK4490EQ」を採用。発売は今秋以降になる見込みだ。

3.5mmアンバランス端子のほか、4.4mmバランス端子も搭載する

同ブースでは、ハイブリッド型イヤホン「AR-E10」(推定2万円台)、開放型ヘッドホン「AR-H1」(推定6~7万円)も参考出品している。

Acoustic Research「AR-E10」

Acoustic Research「AR-H1」