LINEが26日に発表した2017年第1四半期決算は、営業収益が389億1,600万円と前年同期比16.3%増加した。主力の広告事業が堅調だった。最終損益も前年同期比2億3,400万円の赤字から16億3,200万円の黒字に転換した。

LINEのビジネスの源泉となるユーザー数も堅調だ。同社は日本、台湾、タイ、インドネシアを主要4カ国として注力しているが、この4カ国における月間アクティブユーザー数は順調に増加している。2016年第4四半期に比べ400万人増加の1億7100万人となった。業績、ユーザー数ともに足元は好調なようだが、この先、LINEに成長余地はあるのだろうか。

主要4カ国におけるMAU数は増加し続けている(出展:LINE2017年第1四半期プレゼンテーション資料より。以下図表も同)

セグメント別では広告が牽引

セグメント別では、売上収益の43%を占める主力の広告事業が堅調に推移。特に運用型広告(タイムライン/LINE NEWS広告)が大きな伸びを示しており、LINE NEWSの活用による広告枠の拡大、LINE NEWS(海外はLINE TODAY)ユーザーとインプレッション数の増大が広告事業の成長の源となっている。

広告事業の内訳。運用型広告(タイムライン/LINE NEWS広告)が大きな伸びを示している

また、今年2月23日にはLINEアプリのインタフェースを変更し、アプリ最下段にニュースタブを新設。これにより3月のインプレッション数は前月比74%増となり、第2四半期以降にその全面的な効果を享受できる見込みだ。

LINE NEWSのMAUの増加は広告価値を高める。またタブの新設によりインプレッションが増大したことも見逃せない

LINEの出澤剛社長は「打つ手が多くあり伸び代は大きい」と電話会見で述べており、今後はデータ分析などを行うとともに、広告単価のアップに向けた取り組みも進めていく。