【レポート】

CEO チャック・ロビンスが語ったIoT時代に向けたシスコの5つの方針

シスコシステムズは4月25日、米国本社からCEO チャック・ロビンス(Chuck Robbins)氏が来日したことに伴い、同社の事業戦略を説明する記者懇談会を開催した。

同氏は2015年7月、ジョン・チェンバース氏に代わりCEOに就任。2016年11月からは、米国を代表する経済団体として日米間の経済連携の強化に努める「米日経済協議会(The U.S.-Japan Business Council)」の会長も務めている。

米シスコシステムズ CEO チャック・ロビンス(Chuck Robbins)氏

冒頭同氏は、米日経済協議会会長という立場で日米関係について触れ、「ビジネスの進化はテクノロジーの変化によって可能になるが、日本におけるGDPの改善、働き方改革、雇用の創出、教育の展開などを考えると、我々が行っていることと、日本が達成しようとしていることは、共通している。そのため、私は米日経済協議会の会長になった。(協議会により)これまで以上に緊密な関係を2国間で築くことができる」と挨拶した。

チャック・ロビンス氏は、「これまでシスコはネットワークを支えてきたが、今後はあらゆるデバイスがオンライン接続され、ネットワークの重要性はますます高まっていく」と、今後、IoT時代を迎えるにあたって、ネットワークの重要性を強調し、シスコの5つの方針を示した。それは、シンプル化、自動化、ネットワークの可視性、セキュリティ、継続的なイノベーションだという。

「シスコは、テクノロジー、ソリューション、組織など、すべてをシンプルにしていく。また、自動化のレベルを上げ、インフラを動的に変化させていく。そして、ビッグデータ解析によりネットワークの可視性を提供し、すべてにセキュリティを取り込んでいかなければならない。その上で継続的なイノベーションを起こしていくことが必要で、そのために、研究開発に投資し、買収を行っていく」(チャック・ロビンス氏)

同氏は継続的なイノベーションのためには、パートナーシップが重要で、共同開発も必要だとした。また、スタートアップに投資する能力も重要で、そのためのに、イノベーションセンターを作っているのだと説明した。

また、最近各社が注力してAIについては、「新しい技術についてシスコは、それがビジネスになるのか、シスコが使うべき技術なのかという2つの側面をいつも見ている。AIは能力であり、会社全体で使っていくべきものだ。現在も投資しており、今後は買収も検討していく。また、パートナーとの協業も考えていく。そして、いろんな所で活用できるようにしていく」と、AIに対して投資、買収、アライアンスのすべてを行っていく方針を示した。

そのほか、昨年の来日時にも話題になった月額課金モデルへのシフトについては、「お客様がどのように技術を使いたいかを考えた場合、多くのお客様はサービスとして使いたいと思っている。そのため、そのオプションを提供していきたいと思っている。現在は、コラボレーション、セキュリティ、我々の中核ビジネスにおけるソフトウェアライセンスにおいてサブスクリプションモデルを提供し、お客様が価値を享受できるようにしている。お客様はすべて同じではないので、柔軟性を提供し、お客様の使いたいソリューションを、お客様の使いたい形で提供することが重要だ。シスコがソフトウェア会社に転身しようとしているのはないかといわれているが、これまでの20年間、エンジニアリングの投資はソフトウェアにかけられている。そのため、ソフトウェアの能力が蓄えられており、いまをそれをお客様に展開しているということだ」と説明した。

懇談会には日本法人の代表執行役員社長 鈴木みゆき氏も同席したが、同氏は「安倍政権は『日本再興戦略』の原動力になるものとしてIoT、人工知能、ロボティクス、ビッグデータの4つを提唱しているが、シスコはこれにともなう国のデジタイゼーション、社会のデジタイゼーション、働き方改革、サイバーセキュリティなど、成長戦略に寄与できるようなインフラやサービス提供をしていきたい」と、国内向けの方針を述べたあと、昨年10月に発表した2017年度の事業戦略の3つの柱である「日本市場により根ざした事業展開」、「お客様のデジタルビジネスの支援」、「統合ソリューションビジネスの強化」について、改めて次のように語った。

シスコシステムズ 代表執行役員社長 鈴木みゆき氏

「日本市場に根ざした事業展開では、Cisco Startの普及に注力しており、パートナー数に関しては3桁の成長率を実現している。ローカイライズしたMerakiも前年比300%の成長を遂げている。お客様のデジタルビジネスの支援では、シスコの強みである『フォグ コンピューティング(Fog Computing)』技術を活用してIoTのソリューションを提供していきたいと考えている。また、2020年のオリンピックでは、観戦する人び体験をより豊かなものにしていくことも行っていく。そして、統合ソリューションビジネスの強化では、お客様のビジネス成果を生み出す会社になりたいと思っている」



人気記事

一覧

イチオシ記事

新着記事