4月13日、ASUS JAPANはAR(拡張現実)とVR(仮想現実)機能を搭載したAndroidスマートフォン「ZenFone AR」の国内発売を発表しました。AR技術には「Tango」、VR技術には「Daydream」とGoogleが開発・策定した規格が採用されており、この両方に対応したスマートフォンはZenFone ARが世界初です。

本製品の発売は2017年夏予定とかなり先ですが、ASUS JAPANより検証用サンプルを借用できました。製品発売時に細かな仕様は変更される可能性があるため、今回の記事ではZenFone ARでどのようにAR、VRを体験できるのかを中心にレビューします。

ASUSの「ZenFone AR」希望小売価格82,800円~。※本製品はエンジニアリングサンプルのため、実際に日本で発売する製品と仕様が異なる可能性があります

ZenFone ARの基本スペックをおさらい

ZenFone ARはCPUに「Qualcomm Snapdragon 821」(2.4GHz、4コア)、ディスプレイに5.7型ワイド Super AMOLED(2560×1440ドット)、カメラにリア2,300万画素/フロント800万画素、OSにAndroid 7.0を採用しています。

ラインナップは、メモリ(RAM)を8GB、ストレージを(ROM)を128GB搭載する「ZS571KL-BK128S8」(99,800円)、メモリを6GB、ストレージを64GB搭載する「ZS571KL-BK64S6」(82,800円)の2モデル。ちなみに今回借用できたのは下位モデルのZS571KL-BK64S6です。

ZenFone ARのラインナップと主な仕様
型番 ZS571KL-BK128S8 ZS571KL-BK64S6
OS Android 7.0
プロセッサ Qualcomm Snapdragon 821 for Tango(4コア/2.35GHz)
ディスプレイ 5.7型ワイド Super AMOLED(2,560×1,440ドット)
RAM 8GB 6GB
ROM 128GB 64GB
カメラ 背面:2,300万画素/モーショントラッキング/深度カメラ
前面800万画素
無線LAN IEEE802.11a/b/g/n/ac
Bluetooth Bluetooth 4.2
FDD-LTE B1/B2/B3/B5/B7/B8/B18/B19/B20/B26/B28
TD-LTE B38/B40/B41
キャリアアグリゲーション 2CA/3CA
W-CDMA B1/B2/B5/B6/B8
GSM 850/900/1,800/1,900MHz
SIM nanoSIM×2(DSDS対応)
インタフェース USB 2.0 Type-C、microSDスロット、マイク/ヘッドホンコンボジャック
バッテリー容量 3,300mAh
本体サイズ/重量 W77.7×H158.98×D4.6~8.95mm/約170g

AR規格のTangoに対応するためには一般的なスマートフォンに搭載されているRGBカメラのほかに、モーショントラッキングカメラ(魚眼カメラ)と深度カメラ(赤外線カメラ)を搭載する必要があります。これら3つのカメラを搭載しつつ、約158.98×77.7×4.6~8.95mm(高さ×幅×奥行き)/約170gと一般的なスマートフォンとほとんど変わらないサイズ/重量に仕上げられています。

前面を見るとただのスマートフォンにしか見えません。ホームボタンは指紋認証センサーを搭載した物理式のボタンです。カラーはブラック1色のみが用意されます

カメラ部で一番大きいのがモーショントラッキングカメラ(魚眼カメラ)。その上にあるのが2,300万画素RGBカメラ。その右にあるのが深度カメラ(赤外線カメラ)です

パッケージには、本体、USBケーブル、USB充電器、イヤフォン、SIM用ピン、レンズ2枚、保護ケース、メガネ(フレーム)、VR用3Dメガネの組み立てマニュアル、製品保証書、ユーザーマニュアル、サポートチラシ、製品番号シールが同梱されています

パッケージの上蓋、メガネ(フレーム)、レンズ2枚を組み合わせると、VR用3Dメガネが完成します。VRを簡易的に楽しむのにもってこいです

さて、基本スペックのおさらいの最後にベンチマークとカメラテストを実施してみました。