【レポート】

羽田空港「POWER LOUNGE」誕生--"力を与える空間"から始まる新サービスとは

人に力を与える空間、未来志向なデザイン、顧客ファーストなサービス。羽田空港の有料ラウンジ「エアポートラウンジ」は、全面的にリニューアルを経て「POWER LOUNGE」に生まれ変わる。その先駆けとなるラウンジが4月27日より、第1・第2旅客ターミナル保安区域内にそれぞれオープンする。構想に2年弱を費やしたラウンジは何が変わったのだろうか。

多様なニーズに応える新しいラウンジを(「POWER LOUNGE NORTH」にて)※写真全25枚

2018年度中に全6ラウンジをリニューアル

POWER LOUNGEは、"力を与える"という意味を持つ「エンパワーメント」をコンセプトとしている。仕事の前に準備を整える"はかどり"を、また、出張や旅を終えて一日の疲れを癒やす"やすらぎ"を提供することで、この空間を境にしたオン・オフの体験を促す。

エアポートラウンジは羽田空港国内線の一般エリアに2カ所、保安区域内に4カ所あり、4月27日には保安区域内の2カ所が先行オープン。2017年内に保安区域内の全ラウンジをリニューアルし、一般エリアのラウンジは先行ラウンジの様子を見ながら、2017年度内に計画を、2018年度内にリニューアルを予定している。

"穴"をなくしニーズに合わせた席を展開

従来のエアポートラウンジのほとんどが4人掛けのボックス席で、第1ターミナルのラウンジは570平方メートルの空間に149席を、第2ターミナルのラウンジは280平方メートルの空間に66席を、それぞれ備えていた。しかし、この4人掛けにひとりが座ると他の3席は自然と避けられてしまうため、"提供しているようでしていない穴"という状況だった。

「POWER LOUNGE SOUTH」は従来よりも席数は減っているものの、席のデザインを変えることで、実際に快適に活用できる席を増やした

POWER LOUNGEはこの席の構造を一新し、利用者目線に立った空間設定になっている。第1ターミナル2階ゲート8番と9番の間にある「POWER LOUNGE SOUTH」は、敷地面積は570平方メートルのまま、かつ、149席から133席に減ってはいるものの、ひとりでゆったり座れる席を広く展開することで、"穴"をつくることなく全ての席を活用。なお、第2ターミナル側3階北ピアにある「POWER LOUNGE NORTH」は従来の4階北ピアから移設し、倍以上となる650平方メートルの空間に140席を設けている。

「POWER LOUNGE NORTH」の様子

両ラウンジともに、入り口側の席には2m×7mの檜(ひのき)テーブルを使用。檜は日本有数の家具産地である福岡県大川市から仕入れられ、木目の美しさとともにほんのりと香りが楽しめる。この席では、早朝出発時など、書類やPCを広げて出張の準備を整えるユーザーを意識した空間となっている。

テーブルからはほんのりと檜が香る

入り口から奥に進むにつれ、席は椅子というよりソファーという言葉がふさわしいデザインになる。これらのソファーは、POWER LOUNGEのためにつくられたオリジナルだ。従来より人気のあった窓側の席は「Runway Viewing」と命名。開放的な窓の外に広がる滑走の風景をソファーに深くもたれながら楽しむというぜいたくも、ここにはある。一席一席の空間もゆとりがあり、それぞれの目線が合わないように席の並びにも工夫がされている。

くつろぐのにぴったりなソファーはオリジナルデザイン

こちらもオリジナルデザイン。どの席に座っても目線が合わないように配置されている

「Runway Viewing」でゆったりと

用途に合わせて選べる席を用意

テーブル席も含め、全ての席にはAC電源コンセントとUSB充電タップを設置。大きな荷物はスタッフが預かってくれるが、鞄などは電源設備の横に設けられたフックにかけられるようになっている。なお、従来席との違いとして、完全分煙化された喫煙ルームの席があったが、POWER LOUNGEでは喫煙ルームを縮小し、席のない別室になっている。

全席に電源設備を備えている

分かりやすい標識を採用

喫煙ルームは別室になっている

電子表示されたフライト情報

テレビや新聞、雑誌なども設置

こだわりドリンクを会話が生まれる空間で

従来のドリンクコーナーは種類をそろえた自動販売機スタイルだったが、POWER LOUNGEでは"力を与える"を言葉や接客でも実現できるよう、カウンターキッチン方式による対話型ドリンクカウンターに刷新。スタッフは利用者の要望にあわせてサービスを行うほか、会話を通じた和む時間を提供してくれる。スタッフが着用する制服もラウンジのリニューアルにあわせて変更し、黒を基調としたシックなデザインとなっている。

無料ドリンクは基本的にセルフサービスだが、スタッフと会話をしながらサービスしてもらうことも可能

無料ドリンクコーナーには、青汁と黒酢ジュースを新たにそろえ、フレッシュなトマトジュースとオレンジジュースを用意。セルフサービスのコーヒーマシーンからは、ふわふわ泡立てミルクが注がれるため、特にカフェラテがオススメだ。無料で提供される、サクサクのクロワッサンとも相性がいい。

ふわふわミルクのカフェラテをクロワッサンとともに

POWER LOUNGEが目指す"はかどり"と"やすらぎ"を象徴するのが、8~10時と15~17時に限定提供する、有料のコーヒーセットだ。このコーヒーにはバリスタの技術をプログラミングした専用マシーンを使用。スタッフが丁寧に淹れるコーヒーからはアロマが香り、仕事のオン・オフのスイッチを入れてくれる。

バリスタの技術をプログラミングした専用マシーンでて丁寧に

リニューアル時の「はかどり」(税込500円)は羽田オリジナルコーヒーにトマトモッツァレラを、「やすらぎ」(税込500円)は羽田オリジナルコーヒーにパウンドケーキまたはクッキー、チョコレートをそれぞれ用意。コーヒー豆も含め、セット内容は季節によって変わる。なお、コーヒーのほか、クラフトビール「羽田スカイエール」(税込670円)も用意している。

「やすらぎ」(税込500円)。メニューは季節で変わる

ラウンジ機能を拡大させる新サービスも

また、贈答品・お土産をラウンジで用意する「スマートピックアップ」も新たに展開する。これは一般からの要望を受けて実施するサービスで、事前に予約した贈答品・お土産をラウンジで購入・受け取れるというものであり、国内空港では初めての取り組みとなる。

事前予約でスマートに贈答品・お土産をそろえられる「スマートピックアップ」

スマートピックアップは4月26日から開始し、予約は出発前日の14時までとなる。取りそろえる商品は羽田空港でも購入できる商品ではあるが、予約時から贈答品・お土産を選べ、無料でのしにも対応してくれる。さらに希望者には、有料で風呂敷も用意する。スタート時には東京土産21商品から始め、今後、展開を拡大していく。

また、ラウンジの入り口には、日本各地に匠の技が息づく物産品を紹介するショーケース「Wonder Japan Products」を設置。これは経済産業省が展開している 「The Wonder 500」に賛同したもので、3カ月に1度の頻度で物産品を変えながら、知られざる日本の魅力を伝える目的で展開する。ラウンジ内で購入できるものではないが、展示の側には物産品の特長や製作元が記された資料が用意されているので、気になった物産品があれば各自でアプローチができる。

「Wonder Japan Products」も季節によって展示を変更する

POWER LOUNGEの利用料金は、大人が税込1,080円、小人(4~13歳未満)が税込540円。なお、提携カード会社14社・18ブランドが発行する一部クレジットカード保有者、また、運営元である日本空港ビルデングのラウンジと契約している法人等は無料で利用できる。POWER LOUNGE NORTHの営業時間は6時~21時30分、POWER LOUNGE SOUTHの営業時間は6時~21時となる。

提携カード会社14社・18ブランドが発行する一部クレジットカード保有者は、無料で利用できる

「POWER LOUNGE NORTH」の位置

「POWER LOUNGE SOUTH」の位置

日本空港ビルデングによると、ラウンジ利用者は増加傾向にあり、それぞれのニーズにあったラウンジを求める声も大きくなっていたという。「羽田空港利用者、また、従来からのお客さまの要望をしっかりを把握しながら、TOKYO2020に向けた未来志向なデザインを採用した」(加藤勝也常務取締役執行役員)と語るように、POWER LOUNGEは変わる羽田空港のひとつの象徴と言えそうだ。

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