【レポート】

目立ち始めた事業として“CSV”活動に取り組む企業

1 フィリピンを舞台にした共有価値の創造

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すっかり定着した企業の“CSR”(Corporate Social Responsibility)活動。今ではほとんどの企業が何かしらのCSR活動を行っていることだろう。そしてここ数年、“CSV”(Creating Shared Value)に取り組む企業が増えている。

一方、CSVは「共有価値の創造」と訳される。この訳からは、どんな意味なのかあまりピンとこないが、“社会的な課題を解決しつつ、企業の競争力も上げる”と考えるとわかりやすい。つまり、社会と企業との共有価値を創り出すということ。2011年に米国で提唱された比較的新しい考え方だ。

では、どんな活動があるのか。たとえば、ヤマトホールディングスの「高齢者見守りの取り組み」。自治体が制作した刊行物をヤマトのセールスドライバーが高齢者に届ける。その際、高齢者の健康状態を確認し、それを自治体にフィードバック。高齢者の生活状態を確認するという社会的な意味を持ちながら、宅配という本業の需要も生じる。地域によっては生活必需品の買い物をヤマトが行い、それを高齢者に届ける支援もある。

海外に向けられる日本企業のCSV

さて、この日本企業によるCSVが海外に進出している。それはそうだ。企業はグローバルな市場を求め、海外での営業活動を広げているのは皆さんご存じのとおり。そしてCSV活動もこうした企業活動に連動し、海外での影響を強めている。

では、海外に広がるCSV活動のひとつを紹介しよう。リジョブという企業が手がけているCSV活動「咲くらプロジェクト」についてだ。

リジョブ社長室、植田美保さん

このプロジェクトの活動の中心はフィリピンだ。同国は紛争や長く続いた独裁政権などにより、経済発展が遅れていた。だが、アジア通貨危機以降、その存在感を強め、現在は観光立国としての地位を高めている。同国のセブ島などは、東南アジアにおけるリゾート地として屈指の存在にまでなっている。

とはいえ、貧困層はまだまだ多く、豊かな国になったとはいえない。その理由のひとつが、職が少ないということだ。

リジョブが行っているCSV活動、咲くらプロジェクトは、このフィリピンで美容師やセラピストを養成すること。同社は「ジョブ」という言葉が含まれているとおり、求人・転職サイトをメインにしている。ちなみに頭につく「リ」は“リラックス”を意味すると、リジョブ社長室、植田美保さんは話す。

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目次
(1) フィリピンを舞台にした共有価値の創造
(2) 新規事業が見込める東南アジア
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