ディー・エヌ・エーとアイリックコーポレーションは4月18日、保険加入希望者と保険募集人をweb上でマッチングする新サービス「ほけんのコーデ」を提供開始に伴い、説明会を開催。同イベントでは、ディー・エヌ・エーEC事業本部サービス開発部部長兼フィンテックグループマネージャーの坂東龍氏、アイリックコーポレーション執行役員営業企画管轄兼保険ソリューション事業部長兼営業教育部長の建部賢二郎氏が、サービス提供の背景や内容を紹介した。

(左から)アイリックコーポレーションの執行役員営業企画管轄兼保険ソリューション事業部長兼営業教育部長の建部賢二郎氏、ディー・エヌ・エーのEC事業本部サービス開発部部長兼フィンテックグループマネージャーの坂東龍氏

今回ディー・エヌ・エーが、フィンテックの中でも保険領域に参入した理由について、坂東氏はこう語った。

「ディー・エヌ・エーEC事業本部サービス開発部のフィンテックグループは2016年秋に設立し、金融の領域のサービスを多方面から検討をしている段階です。今回のほけんコーデは、フィンテック系サービス立ち上げのチャレンジとして、第一弾となります。保険は一般消費者がお金を払うポイントとして、市場が大きい。また、集客面においても、金融商品を新たにつくるほどハードルが高くない。まずはユーザーの声を聞いて、ニーズに沿ったサービスをつくることができる領域であると考え、参入しました」

保険加入希望者と保険募集人をマッチング

ほけんのコーデは、保険加入を検討するユーザーと保険募集人をマッチングするサービスで、ユーザーに「人生に共感し解決してくれる専門家と最高の出会い」を提供することをミッションとしている。メインターゲットは、ライフイベントなどをきっかけに保険加入・見直しを検討している20代後半~30代の女性。また、対象者は、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県の1都3県(一部地域例外あり)から開始し、順次拡大予定だという。

「サービス開発に当たり、保険選びの過程で不満なことがないかヒアリングを行いました。その際、『聞きたいことに対して適切なアドバイスをくれなかった』『資料請求しただけなのに営業がしつこい』『相談相手との相性が合わなかった』などの声があったんです。このことから、ユーザーが顧客要望を踏まえた納得感のある説明を求めていることや、保険募集人の営業スタイルやパーソナリティが不安要素になることを感じました。我々としては、そういった保険募集人との相性で保険を選択するユーザーにも応えていきたいです」(坂東氏)

匿名で保険選びのアドバイスを受けることができる

ユーザーが年齢や性別、居住地域などのプロフィールを登録し、保険に関するアンケートに回答すると、ユーザーに合う保険募集人が診断できる。なお、質問項目は15~20問ほどで、時間は3分程度で終わるとのことだ。

ユーザーは、面会の前に保険募集人の顔写真やプロフィールの閲覧が可能。また、面会希望を出すまでは、匿名で複数の保険募集人からアドバイスを受けることができる。なお、面会を希望する場合は、保険募集人を選択し、メールで日程と場所の調整を行えるとのことだ。

チャットUIを採用

複数の保険募集人からアドバイスが届く(3日で平均3件を想定)

サービスの提供価値について、建部氏は「今回のサービスは、ユーザーが主体的に能動的に保険募集人を選ぶことができることに価値があると考えています。また、保険募集人側としても、ニーズの合わない対面では時間のロスになることや、ユーザーの期待に添えないといったことが起こり得たわけですが、こうした相互のミスマッチを防ぐことができると考えています」と語った。

今後アイリックコーポレーションは、対面以後の募集活動や、同社が提携する保険代理店への営業でサポートするという。また、両社はユーザーの利用状況・満足度を両社で検証しチューニングしつつ、機能面・集客面ともに、徐々に拡大していくとのことだ。