ソニーがプロデュースするインテリアショップ「Life Space Collection」が、東京・表参道にオープンした。4月15日~6月30日の期間限定で、同社が展開する「Life Space UX(ライフスペースユーエックス)」シリーズの製品とインテリアを合わせた空間を展示し、製品の販売も行う。開催期間中は無休で、営業時間は11:00~21:00。

4月15日~6月30日の期間限定で、東京・表参道に開店するショップ「Life Space Collection」

Life Space UX」とは、空間を変えることで暮らしに新しい体験を作り出すコンセプト。個人が自分らしく過ごせる理想的な空間づくりを、居住空間に調和する佇まいとテクノロジーによって実現することを目指す。このコンセプトに基づき、ポータブル超単焦点プロジェクター「LSPX-P1」をはじめ、LED電球スピーカー「LSPX-103E26」、グラスサウンドスピーカー「LSPX-S1」といった製品群が既に発売されている。

フロア面積は約125平方メートル。店内には各空間をイメージしたブースが複数設けられ、Life Space UXの製品を中心に据えたインテリアコーディネートを提案

今回、期間限定のショップでは、リビングやキッチンなどさまざまな空間を想定したブースを店内に設け、それぞれLife Space UXの製品群と家具・テーブルウェアなどのインテリアをコーディネートして展示。来店者は、各ブースで提案されたライフタイルをイメージしながら、インテリア類も含めて体験し、製品をその場で購入できる。スタイリングと販売はデザイン・インテリアの総合会社のアクシスが手掛けている。

リビング、ダイニング、キッチン、サニタリールーム、アウトドアといった各空間において、Life Space UXの製品を利用した演出やライフスタイルの一例を提案。スタイリングされている家具などもすべて購入可能だ(写真をクリックすると拡大表示)

ソニーは2016年10月末から2017年1月末にかけて、東京・銀座のソニービルにおいても、「Life Space UX × Fumihiko Sanoコラボレーション」と題した展示イベントを行っている。(なお、銀座のソニービルは2017年3月31日に一時閉館。2018年夏から2020年秋の間は「銀座ソニーパーク」として開放し、その後2022年までに新たなソニービルを建設・開業する予定)

ソニー TS事業準備室 室長の斉藤博氏

期間限定ショップのオープンに先立ち、4月13日に開催された記者発表会に出席したソニー TS事業準備室 室長の斉藤博氏は、「銀座の展示会はあくまでショールームというかたちで、"和"をイメージした空間で何ができるかという提案を行った。今回はその場で商品を買うこともできるショップでもあり、Life Space UXが実現する空間をより身近に感じてもらい、実際の生活空間に取り入れてほしい」と、前回との違いを説明。

表参道に出店した理由としては、「家具やインテリアに関心が高く、空間演出にこだわりがあるけれど、アドバイスもしてほしい人向けにショップというかたちにした」と語った。

ショップ内には、4月15日~21日の期間限定で「新4Kプロジェクター -It's all here-」(以下、It's all here)も展示される。2017年1月に、米国ラスベガスで開催された「CES 2017」で参考出品されたコンセプトモデルで、日本国内では初お披露目だ。

国内では初展示の「新4Kプロジェクター -It's all here-」。壁際に設置しても、最大147インチの大画面を投写できる

It's all hereは、LSPX-P1と同様の超単焦点プロジェクターで、壁際に置くだけで4K解像度(約8,000万画素)の映像を最大147インチサイズで映し出せる。斉藤氏によると、製品化のメドは未定だが、「早く世に出したい」とのこと。店内では、リビングをイメージしたブース内にIt's all hereを設置。生活動線を妨げない設置性と映像クオリティーを確認できるとともに、ソニーが現在取り組む「新たなコンテンツとの出会い体験」のインタフェースに触れられる。

4K大画面プロジェクターを体験する、ゲストの内田恭子さんと迫慶一郎氏

記者発表会には、ゲストとして建築家の迫慶一郎氏が登場。「プライベートな空間にいながら、外の世界にアクセスしている気分になれますね。こういう、コンテンツとの偶然の出会いみたいなのは、リアルな空間でしか体験できないものだと思っていました。こんなふうに仮想空間で実現できてしまうと、実空間を設計している建築家としては負けないようにしないといけないなと、新たな課題になりました」と感想をコメント。

同じくゲストのフリーアナウンサー、内田恭子さんは、「夫が大画面好きなのですが、女性目線だとやはり見た目も圧迫感があって、インテリア性を損ねてしまうし、ケーブル類などで生活動線の妨げになってしまって、許容しがたいところがあります。でもこれなら夫と議論せずに済みますね」と語った。

4Kの画面に表示できる膨大なレコードジャケット写真。「砂の嵐」のようなドットから始まり、拡大していくと徐々に写真の姿が。このような過程でコンテンツとの「偶然の出会い」を提供するという、ソニーが取り組んでいるUX/UIの新しい試みだ

期間限定ショップのオープン中は、製品の展示・販売とともにカフェが併設され、さらにLife Space UXのコンセプトに賛同するタレントや料理家などによるトークイベントを計3回実施。各回20人限定で、応募方法などの詳細はLife Space UXのWebサイトで告知される。

4月13日に開催されたオープニング記者発表会に出席した、(左から)フリーアナウンサーの内田恭子さん、ソニー TS事業準備室 室長の斉藤博氏、建築家の迫慶一郎氏