スイス・バーゼルで毎年開催される時計と宝飾品の見本市「Baselworld」(バーゼルワールド)。伝統あるスイスの高級腕時計が並ぶ中、最近はスマートウォッチの存在感が増している。

バーゼルワールド2017の会場風景

2015年4月の「Apple Watch」登場で盛り上がったスマートウォッチ市場だが、当初の期待ほどには拡大していないのが現状だ。果たして2017年はどうなるのか、バーゼルワールドの最新動向をレポートする。

「Android Wear 2.0」搭載機が登場

腕時計の文字盤をディスプレイに置き換えた「スマートウォッチ」の分野で、多くのメーカーがOSとして採用するのが、グーグルの「Android Wear」だ。

大手ブランドでは、2016年に続きタグ・ホイヤーがAndroid Wear採用の新製品を発表。スイス国内でデザイン・開発・組み立てが行われたスイス品質が特徴で、新基準に基づいた「Swiss Made」を冠するモデルになる。

タグ・ホイヤーの「コネクテッド モジュラー45」。価格は17万5,000円から

ほかにも米フォッシル・グループは「Fossil Q」シリーズや、マイケル・コース、ディーゼルなどのブランドでAndroid Wear 2.0対応製品を発表。米国の「GUESS」もバンドや文字盤にこだわったモデルを発表した。

「Fossil Q」シリーズの新モデル。2017年秋に発売予定

Android Wear 2.0では、細かな使い勝手が改善したほか、新たに単独での通信機能にも対応した。これまで通信にはスマホが必要だったが、機種によってはスマートウォッチ単体でWi-FiやLTEによるインターネット接続が可能になる。まさに超小型のスマホというわけだ。

ただし、高機能であるがゆえに消費電力は大きい。ほぼ毎日、充電する必要があるという弱点は変わっていない。各社の工夫によりバッテリー駆動時間は伸びているものの、使い勝手を劇的に変えるには至っていないのが現状だ。