4月は桜とともに真新しいスーツを身につけたフレッシュマンの姿を多くみかけます。この時期は新社会人や大学などで一人暮らしをスタートさせた人も多くいるかと思います。新しいことを覚えるのに精一杯で、なかなか食事にまで意識が行かない人も多いのも事実。新生活とともに是非やっていただきたいことが先取り貯蓄と自炊です。

先取り貯蓄は手取りの給与から最低でも1割を積立預金などで毎月着実に貯めるものです。

そして自炊の習慣も早いうちに身につけるようにしましょう。とはいえ、調理道具も最低限だったり、コンロが一口しかなかったり、冷蔵庫が小さかったりと、これなら弁当を買った方が安上がりだと思ってしまうのも無理はありません。しかし、積もれば大きな出費です。

一人暮らしの節約自炊術(画像はイメージ)

毎日外食と自炊ではどのくらいお金がかかる?

例えば、朝食をコンビニおにぎりとお茶としても約250円、お昼を外食ランチにすると約1,000円、夜をコンビニ弁当にしたら約500円で、1日あたりの食費が約1,750円これを30日だとすれば、5万2,500円です。

これを自炊に切り替えて、お昼は手作りお弁当にすれば月3万円程度で済みます。単純計算でこの差額1カ月あたり2万2,500円を1年間積み立てたら27万円、3年で81万円となります。つまり、一人暮らしでお金が貯まらないのではなく、削れるところを削っていないということなのです。

コンロが一口しかない場合の対処法

たとえコンロが一口しかなくても、冷蔵庫が小さくても、調理道具が最低限でもちょっとコツをつかめば自炊はできます。そんなコツをご紹介します。

■鍋やフライパンひとつでできるものを作る
鍋で煮物、フライパンで炒め物や煮魚だって作れてしまいます。洗い物を減らしたいときは、丼ぶりがおすすめです。炒めた野菜をご飯の上にのせる。めんつゆで煮た鶏肉とスライス玉ねぎを玉子でとじたものをご飯の上にのせて親子丼などにすると簡単でしかも時間もあまりかかりません。

■電子レンジや炊飯器を活用する
コンロが一口しかない場合は、電子レンジを活用しましょう。ほうれん草やじゃがいもは、電子レンジで茹でることができます。基本は洗った野菜をビニール袋かラップに包んで加熱します。これならコンロ不要で時短調理ができます。

炊飯器は、一度にまとめて炊いてから茶碗1杯分を小分けして冷蔵若しくは冷凍しておきましょう。これならいつでもご飯が食べられて、炊飯器の保温時の電気も節約できます。また、炊飯器でも料理を作ることができますが、場合によっては故障の原因にもなりますので、取り扱い説明書をよく読んでから調理に使うようにしましょう。

冷蔵庫が小さい場合の対処法

■まとめ買いはしない
いくらスーパーで安売りをしていても、たくさん買って冷蔵庫に入りきれずに傷んでしまってはムダになってしまいます。そうならないためにも、スーパーやコンビニを冷蔵庫代わりに、その日使う分のみを買うようにしましょう。

■見切り品を活用する
賞味期限が近いものは見切り品といって安く売られていることがあります。これらを必要な分だけ買って、夕食に使うと食費は安く済みます。

おかずをお弁当につなげるコツ

■ストック食材とおかずを用意する
一口コンロでも食費のやりくりが上手な人もたくさんいます。共通点としては、おかずを時間があるときにまとめて作っています。例えば、ひじき煮や五目煮、切り干し大根の煮物、きんぴらといったある程度日持ちもしてお弁当のおかずにもなるものです。また、肉に下味をつけて1食分ずつ小分け冷凍をして、使う分だけ解凍をして調理をしています。

■夕食のおかずをリメイクする
弁当のおかずは難しく考えることはありません。基本は卵焼きとプチトマトがあれば、あとはおかずを2,3品入れたら完成です。ストックおかずや、夕食のおかずを少し残しておいて、味付けを変えてお弁当に入れるのもおすすめです。

長続きさせるコツ

■レシピサイトでレパートリーを増やす
レシピは、レシピサイトで検索すれば、たくさんでてきます。作りたいものだけではなく、ストックおかずや、冷蔵庫にある材料で検索かければ、様々なレシピが出てきますので、レシピサイトを活用してレパートリーを増やしましょう。

■保険をかけておく
ご飯のストックがないときは、食事を作る気がなくなってしまいがちですが、うどんやパスタといった乾麺とソースやスープを用意しておきましょう。乾麺を茹でるだけでできるので、余計な出費を抑えることができます。うどんやパスタは1人前ならフライパンでも茹でることができますので時短にもつながります。

朝寝坊をしてお弁当が作れないときは冷凍サンドイッチを作っておきましょう。ハム、チーズ、マヨネーズであえたツナ、海苔など冷凍→解凍しても風味が変わらないものをあらかじめサンドイッチにしておいてラップに包んで冷凍しておきます。寝坊した朝は凍ったまま持っていけば、お昼には自然解凍されて食べ頃になります。

一人暮らしは家事スキルを向上させるとても良いチャンスです。早いうちから習慣化させることで、10年後には大きな貯蓄額の差がでているはずです。

※画像は本文とは関係ありません

執筆者プロフィール : 丸山晴美(まるやま はるみ)

外国語の専門学校を卒業後、旅行会社、フリーター、会社員、コンビニ店長へと転職。22歳で節約に目覚め、年収が350万円に満たないころ、1年で200万円を貯める。26歳でマンションを購入。2001年に節約アドバイザ―として独立。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーの資格を取得し、お金の管理、運用のアドバイスなどを手掛け、TV、雑誌などで幅広く活躍している。