ここで、関係者からうかがったいくつかの情報を紹介したい。筆者は以前、本誌にも寄稿している山田祥平氏とともに、日本マイクロソフトの春日井氏へ日本語フォントのレンダリング改善を求めたことがある。春日井氏も非常に前向きで、米国本社へ強く呼び掛けると約束してくれたが、残念ながらCreators UpdateにいたるまでのWindows 10 Insider Previewでは、その一端をうかがうことはできなかった。
春日井氏によれば、その取り組みは継続中。Creators Updateは多くの機能を新実装もしくは改善しているものの、そこには優先順位がある。Windows 10インストールPCの台数が上位ではない「日本」の優先度は、必然的に低くなってしまうようだ。春日井氏は同様の取り組みを今後も続けていくと語っていたので、我々日本のユーザーとしてはゆっくり待ちたいところである。
機能実装という点では、Windows 10 Mobileに搭載される予定だった3Dスキャンアプリケーションも見送られている。三上氏は「満足のいくユーザー体験まで、製品の完成度を高められなかった」と述べた。Creators Updateでは、タスクバーにユーザーをピン留めしてコミュニケーションの促進を図る「People Hub」も見送られているが、3Dスキャンアプリケーションと同様に完成度の面で問題があったという。なお、Windows 10 Mobile向けCreators Updateは4月中のリリース予定だが、「本当は一斉にリリースしたい」(三上氏)ものの、UWPにおけるシェルの相違が障害となり、優先度の高いPC版が最初にリリースされるとのことだった。
今後も、日本マイクロソフトは「Windowsエリア」における店頭デモンストレーションや、開発者向けカンファレンス「de:code 2017」を5月23~24日に開催し、6月にはインサイダーを対象にした「Windows Insider Meetup 2」を予定している。4月12日から始まるWindows Updateに備えて、バックアップなどの環境整備を進めておくとよいだろう。
阿久津良和(Cactus)