【レポート】

一人っ子の親がやってしまいがちな"NG子育て"、注意すべきポイントは?

一人っ子の親がやってしまいがちな"NG子育て"、注意すべきポイントは?※写真はイメージ

一人っ子を育てていると、比べる兄弟・姉妹がいないので、子育ての方法に不安を覚えたり、つい甘やかしすぎてしまったりすることはないだろうか。そこで今回は、一人っ子を育てる上で注意すべき子どもの育て方について、心理カウンセラーの根本裕幸先生に聞いた。

一人っ子の親は過保護・過干渉になりやすい

一人っ子の場合、特に一緒に過ごす時間の長い母親との距離が近くなり、過保護や過干渉になりやすいそうだ。過保護というのは、「大丈夫?」「付いていこうか?」など、親が過剰に心配することを指し、過干渉は、「ああしなさい」「こうしなさい」とあれこれ口出ししてしまうことを意味している。

過保護や過干渉は親の性格によるところも大きく、一人っ子に限った話ではないものの、「一人っ子の場合、普通にしていると、過保護や過干渉になってくる、というくらいに思っていていいと思います」と根本先生。

兄弟・姉妹がいれば、どうしても1人だけに構っていることはできず、親の意識は分散される。兄弟・姉妹の習い事の送迎や、通院などの事情で、短時間の留守番を経験するなどの機会も早くから与えられるが、一人っ子はそういった形での親との分離も少なくなりがちだ。

過保護・過干渉がもたらす弊害

過保護な親に育てられると、子どもの自立心は育ちにくい。「転ばぬ先の杖」を用意しすぎると、転ぶことを知らない子どもに育ってしまう。「痛みや失敗を知らない子どもは、人間関係を築くのも大変になりがちです」と根本先生。一人っ子は、兄弟・姉妹がいる子に比べると、どうしても人間関係構築能力を培う機会が少ない点も、親としては意識しておきたい。

一方、過干渉が問題なのは、それによって子どもの人格を否定してしまうから。子どもは「誰かがやってくれるだろう」と考えるようになり、自分で何とかしようという気持ちが育たない。無気力になってしまい、自立できず、結果的に社会の中で生きていくのが大変になってしまう傾向にあるそうだ。

多くの親は過保護・過干渉の自覚がない

また多くの親は、過保護や過干渉である自覚がないそうだ。「あなたのためを思っている」「あなたが心配だから」という大義名分を掲げているが、「実際は子どものためではなく、母親のためということも多い」と根本先生は指摘する。自分の価値観、考え方を押し付けているだけというケースもあるのだ。

例えば「早いうちに勉強しておいた方があなたのためになるから、この塾へ通おうね」というセリフも、子どもが塾に行きたくないのであれば、親の価値観の押し付けに過ぎないかもしれない。もちろん、そういった導きもある程度は必要だが、強すぎれば過干渉になる。

価値観を押し付けないためには、子どもに選択させることが大切。何かを選ぶ時は、「どれがいい?」と子どもに聞き、親の意見と違う物を選んでも、「なぜそっちを選ぶの? こっちでしょ」と、選択を頭ごなしに否定するのではなく、「こういう理由でこっちの方がいいと思うけど、今回はそっちにするね」など、子どもの意見を生かしたり、きちんと説明したりすることが大切だという。

一人っ子ママは、子どもと離れる機会を持とう

一人っ子の場合、親子で家に引きこもっていると、過保護・過干渉になりやすいので、ママが意識的に外へ出ることも大事だという。赤ちゃんの頃から、近所の子育て広場や、読み聞かせ会などに参加すれば、兄妹がいるママから病院や幼稚園など、地域の口コミ情報も得られて一石二鳥だ。

そのほか、祖父母やベビーシッターに一時的に子どもを預けたり、幼児であれば子どもだけが集まるサマーキャンプに参加させたり、親から離れる経験を意識的に増やしてみよう。「一人っ子は、できるだけ手放す機会さえ作ってあげれば、逆にのびのびと自由な子に育つと思います」と根本先生。イメージとしては、中学生くらいでホームステイや短期留学を経験させるくらいの手放し度だそうだ。

一人っ子に限らず、第一子の子育ては全てが初めてなので繊細になるし、エネルギーもかかる。「自分のおなかからうまれてくるので、母親にとって子どもは、"自分のもの"という意識も生まれやすい。親側で一線を引く努力が必要です」と根本先生は話す。

子どものことを考えているつもりが、過保護・過干渉になりすぎてはいないだろうか。一人っ子の親であれば、よりそのことを強く意識して、客観的な視点を持つことを心がけるといいだろう。

根本裕幸先生 プロフィール

心理カウンセラー。1972年生まれ。2000年、プロカウンセラーとしてデビューして以来、延べ1万5,000本以上のカウンセリングをこなす。2001年にカウンセリングサービス設立に寄与し、2003年から年間100本以上の講座やセミナーを行っている。2015年3月に退職し、独立。分かりやすさと明晰かつユニークな視点からの分析力、具体的な問題解決のための提案力に定評がある。著書は『こじれたココロのほぐし方』(リベラル社/2014年)、『愛されるのはどっち?』(リベラル社/2015年)他多数。各種テレビ、ラジオへの出演、制作協力も多数。
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