ビックカメラは4月7日より、ビックカメラ有楽町店とビックロ ビックカメラ新宿東口店の2店舗で仮想通貨「ビットコイン」による決済の試験導入を開始した。決済サービスは国内最大のビットコイン・ブロックチェーン企業であるbitFlyerが提供する。

ビックカメラ、ビットコイン決済スタート(写真左:bitFlyer 代表取締役 加納裕三氏/写真右:ビックカメラ 執行役員 有楽町店店長 佐藤壮史氏)

「仮想通貨法」施行によりビットコインが普及する?

ビットコインとは、サトシ・ナカモト氏が作ったと言われる仮想通貨。発行体がなく、送金コストが低いなどの特徴がある。一方、マウントゴックスの破産などにより、仮想通貨に対して不安感を持つ人も多いという。

ビックカメラにおけるビットコイン決済は、欧米や中国に利用者が多いビットコインを導入することで、インバウンド需要を取り込むことを目的としている。日本の電化製品や化粧品・医薬品は海外旅行客からの人気が高く、旗艦店であるビックカメラ有楽町店やビックロ ビックカメラ新宿東口店には多くの訪日客が足を運ぶ。外貨両替と比べて手数料が安いビットコインを決済の選択肢として訪日客に提示し、さらなる売上増につなげる狙いだ。

また今回の試験導入の背景には、「改正資金決済法」(資金決済に関する法律 第三章の二 仮想通貨/いわゆる「仮想通貨法」)の施行がある。2017年4月1日に施行された仮想通貨法は、仮想通貨に対するリテラシーが低い層を保護するためのもの。仮想通貨取引所は金融庁所管の登録制となり、登録事業者は規制を順守することで信頼と安心感が高まると期待されている。

加えて、大手金融機関である三菱東京UFJ銀行が独自の仮想通貨「MUFGコイン」を開発し、仮想通貨市場へ参入するという動きも見られるなど、同法の施行により仮想通貨は日本国内にも普及すると予想されている。

ビックカメラはクレジットカードを始め、SuicaやPASMO、WAON、nanacoなど家電小売業界の中で最も多彩な決済手段を顧客に提供していることでも知られる。試験導入とはいえ、拡大が予想されるビットコインを新たに追加することで、決済方法の選択肢をさらに広げユーザーの利便性を追求するという。

会計は2次元コードで決済

ビックカメラ有楽町店では、3階の免税レジを始め各階でビットコイン決済が可能になる。支払いは、会計時に示される2次元コード(QRコード)を、bitFlyerのiOSアプリ「bitFlyer ウォレット」で読み取る形式を採用。決済上限は1会計につき10万円相当のビットコインまで、ビックポイントは現金決済と同じ付与率となる。

会計担当の店員が金額を入力

生成された2次元コードを購入者が読み取る

日本円に相当する請求金額(BTC)が表示される