子どもの金銭感覚を養う! おこづかいの渡し方とやってはいけないNGポイント※イラストはイメージ

お子さんの進学・進級を迎えて、「おこづかい」について話し合うご家庭も多い時期ではないでしょうか。既におこづかい制を導入されているご家庭では、お子さんから値上げ交渉があるかもしれませんね。

親の教育方針や考え方によりけりと分かっていても、「よそのお家はどうしているの?」も気になるところ。金額の相場や渡す時期、それにおこづかいによる金銭教育の方法についてもご紹介します。

「その都度渡す」は卒業しよう

おこづかいの渡し方や時期については、多くのパパ・ママが悩んでいると思います。金融中央広報委員会の「第3回 子どものくらしとお金に関する調査」(2015年度)によれば、おこづかいをもらっている子どもは、小学生では7割超、中高生では8割超。小学生以上になると、大半の子どもたちが、おこづかいをもらっているようです。

一方、下の図を見ていただくと分かるとおり、もらい方は家庭によってばらつきがあり、低学年になればなるほど「必要の都度もらっている」割合が高くなっています。

おこづかいをもらっている子どものうち、「定期的にもらっている」「必要の都度もらっている」人の割合

さらに金額については、小学生では1,000円前後、中学生では2,536円、高校生では5,114円が平均となっていますが、一部、多くの金額をもらっている子どもが全体の平均を押し上げることがある点に注意。最も多く回答があった金額を見てみると、小学生で500円、中学生で1,000円、高校生で5,000円です。

おこづかいの平均額と最も多く回答があった金額

私は、おこづかいを渡す方法として「その都度渡す」からは卒業してほしいと考えています。渡す方法は、「毎週・毎月に定額を渡す」「家事を手伝った分渡す」の方法が金銭教育としては良いでしょう。また、おこづかいをスタートするタイミングは、子どもが「おこづかいが欲しい」と言った時や、進学・進級するタイミングがオススメです。

その際大切にしてほしいのは、「ルールを決める」こと。これは金額を変更する時も同様です。加えて、お金はパパやママが働いて得た物であることを伝えましょう。リアルに理解してもらうために、おこづかいを渡す日を給料日に設定するのもいいかもしれません。

お金の使い道に口出しするのはNG

親として気になるおこづかいの使い道ですが、同調査によれば、小学生で最も多いのは「おかしやジュース」。中高生では「外食・飲食代」「おやつなどの飲食物」が多くなっています。子どものお楽しみ、欲しい物のために使われていることが分かります。

学校・学年別「おこづかいの使い方」

「無駄遣いはやめてほしい」「もっと違うものに使ってほしい」と思う瞬間もあるでしょう。しかし、使い道についての口出しは最小限にしてほしいと思います。小学生、中学生など、子どもがまだ目の届くところにいる時期だからこそ、失敗を経験させるのも、金銭教育の一環として捉えていきましょう。

ただし、「ほったらかし」では失敗しても、子ども自身が主体的に改善できません。そこで、おこづかい帳をつけ、もし失敗があったら、自分で振り返りできる仕組みを作ることをオススメします。おじいちゃん・おばあちゃんが、パパやママの知らないところでおこづかいを渡す可能性もありますので、臨時収入もおこづかい帳に書くよう、伝えておきましょう。

生活費・将来のお金の話もオープンに!

おこづかいだけでなく、普段の会話でも、金銭教育のために意識できることはあります。それは、「生活費や将来のお金の話をオープンにする」こと。日頃から、お金の話はタブーにせず、「車を買うために毎月●万円貯金をしている」「家族で旅行に行くために、残り●万円の貯金をする」など、生活や未来を楽しむために「今工夫していること」をオープンに話しましょう。そうすることで、子どもは「楽しむために貯金をする」を学んでいきます。

最近では、子ども向けのマネー教育を取り入れたイベントやウェブサイトも増えてきていますので、親子で楽しく学んでみるのもいいかもしれませんね。

今はパパ・ママ自身がクレジットカードなどによる支払いや、ネットショッピングを活用しているので、子どもにとっては「見えないお金」の世界が当たり前となっています。だからこそ、おこづかいをきっかけに、大切な「お金のこと」を子どもに丁寧に伝えていきたいですね。

著者プロフィール

マイライフエフピー代表 加藤葉子
子育て真っ最中のファイナンシャルプランナー。子どもを授かったことをきっかけに、教育費や学資保険の仕組みなどに興味を持ち、ファイナンシャルプランナーの勉強を始め、3年で子どもの教育資金を貯める。現在は、全国の女性からの教育費・老後資金・起業・離婚・投資なのお金の相談を中心に執筆・マネー講師として活動しながら、ファイナンシャルプランナーの育成にも力を入れている。自身のホームページ「女性とシングルマザーのお金の専門家」でもお金にまつわるお役立ち情報を提供している。