iPadの進化は、また別の話

さて、今回のアップデートで2017年のiPadラインアップの刷新は終わりではない、と考えた方が良いだろう。iPadのリリースがニーズに対応することを目的としているなら、アップルのタブレット進化の戦略とは別の話、と見ることができるからだ。

ハイエンドとなる12.9インチ·9.7インチモデルのiPad ProはA9Xを採用しており、今年も新しいプロセッサが出るなら、2年前のプロセッサを採用し続けることになってしまう。

加えて、12.9インチモデルのiPad Proは、アンテナデザインやディスプレイの品質の面で、9.7インチモデルに遅れを取っている。プロセッサや画面サイズの面では12.9インチiPad Proが上位モデルだが、世代としては9.7インチモデルよりも前のものに留まっている。

また、iPad mini 4も、128GBモデルのみを残している不自然な状態であり、場合によってはこのモデルで「iPad mini」シリーズも終焉を迎える可能性がある。

生産体制をニーズに応えやすい状態に保ちながら、iPad Pro 9.7インチモデルを登場させるときにPCからの買替え需要を狙っていく戦略を実現するには、モデル数を増やさずに、より魅力的なiPad Proラインアップを拡充していくことが重要となる。

そうしたアップデートを、2017年中に見ることができるのではないだろうか。