楽天は3月22日、「楽天市場 ポイントを活用した賢い買い物術勉強会」を実施した。勉強会にはポイ探 代表取締役社長 菊池崇仁氏が登壇し、最新のトレンドからポイント活用術などを紹介した。

菊池崇仁氏
約230種類以上のポイントを取り扱うポイント交換サービス「ポイ探」を運営。57枚のクレジットカードを保有し、約120万円の年会費を支払っている。一般カードからプラチナカード等のプレミアムカードを実際に保有・利用し、信用できる情報提供を目指すポイントの専門家

今は高還元率を狙うユーザーにとって絶好のチャンス

今や使わない日はないというぐらい、日常生活に深く浸透したポイントサービス。なかでもTポイントやdポイント、楽天ポイントなどの業界をまたいだ共通ポイントサービスはここ数年で一気に拡大した。菊池氏によると、2013年以降、共通ポイント業界は激しい顧客獲得競争の渦中にあるという。

菊池氏「これまでは緩やかにポイントのブームが来ていたが、2013年にヤフーポイントが廃止され、Tポイントに統合された。これにより、ネットとリアルに強いポイントが誕生した。ネットに強い企業である楽天も、2014年にリアルに参入。共通ポイント業界では非常に激しい闘いが起きている。基本ポイント還元率を見ると、Tポイントは共通ポイント界の圧倒的王者なので、還元率は低い(CCC、ソフトバンクは0.5%、ヤフーは1%)。一方、追う立場の楽天やPontaポイント、dポイントは還元率が高く設定されている」

ポイントの歴史

菊池氏は「業界各社が激しい闘いをしている今こそ、ユーザーにとっては絶好のチャンス」だと語る。例えば、楽天は2016年1月から楽天カード利用かつアプリ利用で基本ポイントが5倍(プレミアムカード&楽天モバイル利用で7倍)になるSPU(スーパーポイントアッププログラム)を導入。楽天スーパーセールなどのイベントと合わせると、ポイント還元率が最大26%になる。

共通ポイントについて

こうしたサービスは楽天だけでなく、Yahoo! ショッピングやローソン、Wowma! などでも実施されており、「今や5~7%還元は当たり前になっている」(菊池氏)という。

今や還元率は5~7%が当たり前

楽天ポイントを貯めるには「ふるさと納税」がおすすめ

ポイント高還元を利用して節約するには、情報量がモノを言う。例えば、「大手キャリアかポイントアップのある格安SIMか」「現金かクレジットカードはたまた電子マネーか」など、何もしない人とサービスをフル活用した人では手元に残るお金にも大きな差がでる。

情報量で大きな差が生じる

また、「ふるさと納税」も菊池氏が活用を促す、非常にお得な制度の1つだ。楽天市場のふるさと納税はポイント還元率が非常に高いものも数多くあるという。また、菊池氏は貯めたポイントの消費は、楽天モバイルの決済に利用すると良い、と助言する。

菊池氏「楽天のふるさと納税はポイント10倍の商品が数多くある上、SPUの対象になるのでカード決済で3%、アプリで1%、楽天モバイル契約で1%と還元率がどんどん上乗せされ、最大16%還元になる。つまり、2万円分の納税をすると3,200円のポイントが還元される計算だ。(ポイントが自己負担額2,000円を上回るので、)実質ゼロ円でふるさと納税ができ、返礼品ももらえる。また、貯まったポイントを活用する方法は楽天モバイルの通信費に充当すること。事前に設定しておくと、毎月のポイントをモバイルの支払いに利用できる。(契約プランによるが)月1,600円ぐらいポイントを貯めている人だと、通信費が無料になることもある」

貯めたポイントは通信料の支払いに充当する

終わりに

かつてないほどの高還元率を武器に、共通グループ各社がしのぎを削るポイント業界。消費者にとってはありがたいことだが、それを上手に活用できるかどうかは、情報を手に入れられるか、またそれをきちんと理解できるかによる。

しかし、菊池氏が「複雑になりすぎて消費者にとってわかりにくくなっている」と指摘するように、ポイントを効率よく貯めたいと思っても、その複雑すぎる仕組みが壁になっている人もいるのではないだろうか。また、ポイントを意識しすぎるあまり不要なものまで買ってしまうなど、結果的に損しているケースも見受けられる。節約の強い味方である共通ポイント。有効活用はしても振り回されることはないよう、理解を深めた上で活用してみてほしい。