今や、コンビニエンスストアの店頭に設置されたコピー機がどんどん進化している。単なる複写機だったのはもう20年近く前のことだ。今や、「マルチコピー機」と呼ばれているが、その名の通り、FAX機能、デジタルカメラやスマートフォンからのプリント機能など、さまざまな機能が追加されている。

中でも、筆者が特にオススメしたい機能が「ネットプリント」だ。ネットプリントとは、あらかじめPCやスマートフォンからネットプリントセンターにアップロードしておいたドキュメントや画像ファイルを、店頭のマルチコピー機でプリントできるサービス。

今回、セブン-イレブンの店頭にマルチコピー機を納めている富士ゼロックスにネットプリントの最新事情を聞いた。ネットプリントセンターにアップロードしたデータをプリントするという基本的な利用に加え、さまざまな形で利用されているようだ。以下、ネットプリントの用途を紹介しよう。

API連携などでコンテンツをプリントできるサービスも充実

富士ゼロックスは、ネットプリントと同様にセンターにアップロードされているデータを店頭のマルチコピー機でコンテンツとして購入できるサービスとして「コンテンツプリント」を提供している。

例えば、希望の曲のみ1曲から購入できる楽譜プリント、公営競技の予想紙、L版写真サイズでは芸能人やアニメ・ゲームのキャラクターブロマイドなど、さまざまなジャンルのコンテンツが提供されている。また、ゼンリン住宅地図のプリントサービスやリクルートの履歴書作成サービスなど、各社が提供しているサービスをネットプリントとAPI連携させることによって、コンテンツとして販売しているケースもある(コンテンツの販売に関しては、サービス提携契約が必要)。

「コンテンツプリント」のコンテンツを購入できるサイト「コンテンツギャラリー」。左側のメニューを見てもらえばわかるが、楽譜、アニメ、ニュース、地図など、コンテンツの幅は広い

また、2016年に登場した新サービス「ネームイン メッセージカード」は、用意された写真にメッセージや相手の名前などを自然な形で溶け込ませることでオリジナルカードを作るサービスだが、これもAPI連携の仕組みを利用して、プリント予約番号を発行している。

はがきサイズ対応で日本郵便の年賀状作成との連携を実現

富士ゼロックス 中央営業事業部 流通・サービス営業統括 アーケードサービスグループ 事業企画チーム 高田義久氏

「新しいサービスとしては、はがきサイズに対応したことで年賀状プリントができるようになりました。セブン-イレブンが以前から行っていた年賀状印刷サービスと組み合わせて、同じデザインのものを店頭で1枚からプリントできるようにし、年始になってから少量足りなくなったというような需要に対応しました。また、日本郵便の提供する年賀状作成サービスである"はがきデザインキット"(スマホ版)とも連携し、出力先のプリンタとして自宅プリンタのようにマルチコピー機を指定できるようにもしました」と高田氏。

ちなみに、本稿執筆時点では年賀状のシーズンを過ぎているため、現在のバージョンでは「はがきデザインキット」との連携は終了している。

はがきプリントに関しては特に力を入れており、硬く小さなはがき用紙がトラブルなくプリントできるよう用紙トレイを一番上に設置し、さらにトレイ内部には備え付けのはがき用紙を一時的に避けておく場所も用意。ユーザーの持ち込みはがきへのプリントもスムーズに行えるように工夫されている(持ち込みは日本郵便が発行した定形の郵便はがきのみ利用可)。

「はがきサイズは他社にないサービスなのですが、手持ちの写真をプリントするだけで格好のよいポストカードができます。余白の位置を調整してメッセージ記入位置を作るなど、オリジナルポストカードづくりを楽しんでいただけます」と、新しく登場したはがきサイズの利用を促す。