新年度は変化のある時期ですが、家計や食卓にも少々変化のある4月となりそうです。円安やマイナス金利、不作といった要因で、値上げが予定されているものがいくつかあります。今回は、値上げされるものと、乗り切るコツをご紹介します。

この4月から値上げされるものは、国民年金保険料、生命保険料、医療保険料、電気、ガス、燃油サーチャージ、バター等の食料品や嗜好品などです。

国民年金保険料はまとめて納付がお得

国民年金保険料は、平成28年度が1万6,260円、平成29年度が1万6,490円と月230円、年2,760円の増額になります。なお、平成30年は1万6,340円で、年1,800円安くなる予定です。

国民年金保険料の推移

節約のコツとしては、平成29年4月~平成30年3月分の保険料を対象とした「2年前納制度」を利用することです。2年分の保険料は口座振替の場合が37万8,320円、現金納付の場合は37万9,560円です。高額な印象ですが、2年分をまとめて支払うことで、毎月納める場合と比べて口座振替では1万5,640円、現金納付では1万4,400円の割り引きとなります。

支払い方法による料金の違い(平成29年4月~平成30年3月分)

またこの4月からは国民年金保険料をクレジットカードでも支払うことができるようになりました。この場合の割引額は1万4,400円ですが、ポイントが貯まるクレジットカードを使っての支払いであれば、クレジットカードのポイント分が割引額に上乗せされるのでお得です。

ただし、2年前納やクレジットカード払いをする場合は、毎年2月末までに年金事務所へ納付の申し込みをする必要があります。また、保険料の支払いでクレジットカードのポイントが付くかどうかは、各クレジットカードによって異なりますので、事前に確認をしておきましょう。

各種保険もマイナス金利の影響で値上げ

生命保険料・医療保険料は、マイナス金利の影響を受けての運用利回り低下などが値上げの主な原因です。貯蓄性のある商品に関しては、別の運用方法を考える必要もありそう。そして、4月以降の加入に関しては、必要な保障を必要な分だけ加入する、掛け捨てタイプも検討するといいでしょう。まずは、現在の保険の加入状況を把握して、必要以上に加入しているのであれば、解約も検討すると良いでしょう。

都市ガスは乗り換えを検討するのもあり!

電気、ガスも値上がりが決まっており、平均的な家族で50円~100円程度の値上げを予定しています。ただし、電気やガスは、これからの時期は日照時間が延び、気温が高くなってくるために消費量は徐々に減ってきますので、あまり実感がわかないかも知れません。電気、ガスなど公共料金の節約の基本は、こまめに消したり、止めたりすることです。今一度、習慣化するように心がけましょう。

また、この4月から都市ガスの自由化もスタートしますので、電気と併せて我が家のベストとなる事業者の検討をしてみてもいいでしょう。

航空会社の燃油サーチャージ値上げ

円安と原油価格上昇に伴い、2月に復活したJALとANAの燃油特別付加運賃(以下、燃油サーチャージ)ですが、4月1日よりさらなる値上げが行われます。現時点では、4月1日から5月31日までの航空券発券分の燃油サーチャージが発表されており、各路線ともにほぼ倍の金額となります。

ANA国際線 燃油サーチャージ(4月1日から5月31日発券分/同社HPより)

JAL国際線 燃油サーチャージ(4月1日から5月31日発券分/同社HPより)

4月以降に海外旅行をする予定があるのであれば、3月中に発券しておくことをおすすめします。

食料品・嗜好品の値上げは上手に代用を

バターやチーズ、小麦粉、オリーブオイル、海苔などの食料品の値上げは、基本的には米食中心に、地場で採れた旬の野菜などを取り入れた食生活を送っていれば、それほど家計に大きな影響はなさそうです。長引くバターの価格高騰で、パンやお菓子などはサラダ油などで作るレシピが増えてきましたので、上手に代用をすると良いでしょう。

また、たばこの値上げも予定されています。今回の値上げでは、「わかば」「エコー」「ウルマ」「バイオレット」「しんせい」「ゴールデンバット」の6銘柄(いわゆる旧3級品)が対象で、たばこ税率が引き上げられることを受けて、30円値上げされます。この値上げはもともとたばこ税の軽減措置があった銘柄で、特例税率が廃止されたため、2019年4月1日まで段階的に税率が引き上げられるようです。

さらに、6月からは郵便ハガキの送料が52円から62円へ値上げが予定されています。ただし、年賀状に限っては52円、封書は82円のまま据え置きとなります。

終わりに

値上げばかりで嫌になってしまうかも知れませんが、この4月から自動車の自賠責保険が全車種平均で6.9%の値下げになります。乗用車は2年間で2万5,830円と2,010円の値下がり、軽自動車は2万5,070円で1,300円安くなる見通しです。

自動車の自賠責保険料(4月1日~)

ちょこちょこと値上げはありますが、だからといって、ふだんあまり使わないものをまとめ買いをするほどでもなさそうです。ムダを省いて、最後まで使い切るといった基本的なやりくりを心がけていれば、それほど恐れることはないでしょう。

執筆者プロフィール : 丸山晴美(まるやま はるみ)

外国語の専門学校を卒業後、旅行会社、フリーター、会社員、コンビニ店長へと転職。22歳で節約に目覚め、年収が350万円に満たないころ、1年で200万円を貯める。26歳でマンションを購入。2001年に節約アドバイザ―として独立。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーの資格を取得し、お金の管理、運用のアドバイスなどを手掛け、TV、雑誌などで幅広く活躍している。