最近リリースされるアプリの傾向などはありますか?

渋谷: ネット専業ではない、一般的なサービスやブランドがアプリ展開をしているものが多く見受けられるようになりました。2015年から2016年にかけて、ストア上のアプリ数は3割程度増加(フラー株式会社調べ)しているのですが、増加したアプリを分類してみると、飲食やエンターテイメントなどネット専業以外の企業の自社アプリが目立っています。たとえば、丸亀製麺、ラウンドワン、コカコーラなどです。アプリ市場が、ネットやゲームの専業でない範囲まで広がってきていることが実感できます。フラーではその年を代表する、成長率の高かったアプリを表彰する「App Ape Award」というものを昨年開催しました。ゲーム部門とゲーム以外のアプリ部門の他に、そうしたアプリが多かったことから、ブランド部門というものも設けました。3年後には、ブランド部門をさらに細分化する必要が出てくると思います。

App Ape Labより

2017年のスマホアプリのトレンドを教えてください

渋谷:2017年は 世の中にある様々なサービスのアプリシフトが進むと思います。それに伴い、これまで以上にスマホアプリを通した新しい体験が生まれ、それらを多くの人がキャッチアップして実際に使いだす、というのが大きな流れだと思います。実際にpaymoや、中国のアーリーペイなど、決済やNFC(※1)など新しい技術を活用したアプリがユーザー体験をどんどん変えていますよね。そういったスタートアップが開発した技術が、広く一般に広まっていくフェーズに突入しているのではないでしょうか。

また、動画ならAbemaTVやC CHANNEL、ECならメルカリといったように、元々世の中に存在したサービスがどんどんアプリにシフトしています。そうした動きは今後しばらくは続いて行くと思います。

そうしてあらゆるプレイヤーがアプリに参入してくると、突然変異のようなレアケースが起きたりします。例えば、GREEのプラットフォーム上で「ガチャ」が生まれた時のようにです。スマホにはまだ様々な使い方の可能性があって、「こんな使い方があったのか!」と核心をつくような新しい体験が生まれてくることは十分に考えられると思います。割と近いうちに、そうしたアプリがきっと出てきます。

※1:NFC(Near Field Communication)とは、「かざして通信」するための規格。 通信距離が10cm程度で、かざすだけで簡単にデータ通信が行える。

藤原:あらゆる既存のサービスがアプリシフトを遂げると、端的に、スマホがどんどん便利になると思います。回転寿司をチェーン展開するスシローのアプリがあるのですが、アプリから来店予約ができ、順番が近づくとプッシュ通知をしてくれます。アプリさえ使っていれば、もう店頭に並ばなくて良いのです。飲食店だけではなく、海外だと病院などもアプリシフトしていて、ユーザーは待ち時間を浪費せずに済むようになりました。これは大きなユーザー体験の変化だと思います。

渋谷:いずれ世の中のほとんどのサービスがアプリシフトして行くことは明確なのですが、私たちが提供する「Joren」によって、そのスピードをより早めていけると考えています。