1泊5000円で利益が出せる

いずれにせよ、ロボットを取り入れたことで実現したのは、超ローコストホテルだ。HISホテルホールディングスの平林朗社長によると、人件費は「他のホテルの5分の1から8分の1」。過去、ハウステンボス店の状況について語ったエイチアイエス澤田秀雄代表の発言を紐解くと「1泊5,000円でも利益が出る」としている。変なホテルは現状、シングル1泊で1万3,000円程度からというのが相場のようだが、1泊5,000円のチェーン系ビジネスホテルに負けない力を持っているわけだ。

仮に同じ料金になったとしても、ロボットが運営するという新味があり、他社との差別化が大きくあり、運営上も24時間稼動となってもロボットは文句を言わないなど、メリットは多々としてありそうだ。

変なホテルの出店戦略

ローコストを実現した変なホテルだが、今後の出店戦略はどうなっているのか。平林代表によると、1号店のハウステンボス、2号店の千葉舞浜、ラグーナテンボス(2017年8月愛知県蒲郡市に開業予定)の3店を実証実験の施設として捉え、効率化の仕組みに磨きをかけ、フランチャイズ展開を図りながら、システム販売も行っていくとのことだ。

徹底的な効率化を果たした変なホテルの運営手法を提供するのが、このシステム販売だ。変なホテルのように多数のロボットを導入するのか、または一部分だけにとどめるのか、など、顧客の要望に応じてコンサルティング要素を含んだノウハウの販売を行っていく。5年後には世界で1000件のシステム販売を行い、目指すは「ホテル界のゲームチェンジャー」だ。

フランチャイズ展開、システム販売を通じて、変なホテルの運営方法に魅力がある限り、日本においてロボットを活用したホテルが増えるのは間違いなさそうだ。

ハウステンボス、舞浜、ラグーナテンボスの3店舗でノウハウを蓄積してフランチャイズ展開やシステム販売により「ホテル界のゲームチェンジャー」を目指すという