WDLC(Windowsデジタルライフスタイルコンソーシアム)は3月13日、「MyFirst PC はじめてのマイパソコン」と題し、子どもの可能性を最大に引き出すためのPC利用について考えるシンポジウムを開催した。政府が教育のICT利用拡大に向けて積極的に動く中、家庭ではどのような方針をとるべきだろうか。

PCを使って学びをサポート

WDLCの高橋美波理事長は、子どもたちにデジタル(IT)の知識を少しでも持ってもらい、国際的に活躍できる人材を育てたいとしている

冒頭では、日本マイクロソフト 執行役員常務コンシューマー&パートナーグループ担当で、WDLCの理事長でもある高橋美波氏が登壇。

WDLCは2007年に設立された業界団体であり、メーカーや量販店、SIerなど113社が協賛している。子どもが自分専用PCを持つことで、学習結果などにいい影響を与えているという調査結果をもとに、昨年(2016年)からPCと学びの関係を紹介する「My First PC」キャンペーンを実施していることを紹介した。

今回のシンポジウムは、子どもを持つ母親を対象に、子どもの学びについて考える場を設けるといった目的で開催されている。

高橋氏は、日本は他の先進国と比べて、子どもが自分自身のPCを持っている率が非常に低いことを紹介。総務省や文部科学省がICT教育に注力していることに歩調を合わせる形で、イベント実施によるPC体験機会の提供や、子どもがネット上で被害に遭わないよう、ファミリー機能の紹介といった活動を行っていると紹介した。

ゲーム機の普及率や動画、SNSを楽しんでいる人口から考えると、PCの所有率も利用率も、日本は他国の水準と比べて非常に低い

ワークショップでプログラミング体験も

自らも母親であり、子どもへのPC教育について多大な関心を寄せているという石戸理事長

続いて、NPO法人CANVASの理事長であり、デジタル絵本 代表取締役、慶應義塾大学准教授の石戸奈々子氏が登壇。CANVASは子どもへのPC教育を推進する団体であり、各地で子ども向けのプログラミングワークショップを開催するなどの活動を行っている。

現場からの声として、教材の不足を訴える声が大きいとしたほか、カリキュラムや人材不足、情報共有などの課題を挙げ、機材不足についてはWDLCの中核企業であるマイクロソフトの支援が得られたことが大きかったと述べていた。

プログラミング教育のイメージとして、子役として活躍するタレントの谷花音さんが登場。実際にCherrybitを使ったプログラミング体験を行うセッションが行われた。

谷さんはトークしながら順調にプログラミングを完成。簡単にLEDを使ったアニメーションを作成できる点は、会場のお母さん方にも興味深かったようだ