「分」けることで「解」る……井深大氏の実体験をもとにした、分解教室

ソニーは3月12日、東京・お台場にあるソニーの体験型科学館「ソニー・エクスプローラサイエンス」にて、「第28回分解ワークショップ~モノのしくみをしろう~」を開催した。今回の対象は小学3年生から中学3年生までの児童・生徒とその保護者で、事前申込で約10倍の抽選倍率という人気だ。

分解ワークショップ開始。左の司会進行役は、ソニー・エクスプローラサイエンス副館長の速見充男氏

このワークショップは、ソニーのCSR活動「ソニー・サイエンスプログラム」の一環として行われている。ソニー創業者の一人である井深大氏(故人)が、「柱時計を分解することでモノの仕組みがわかり、ワクワクを楽しんだ体験が、後日、ソニーを創業するきっかけになった」ということがベースになっているそうだ。

分解予定のソニー製品たち。こちらはDVDハンディカム

分解予定のステレオコンポ

ソニー製品の分解ワークショップも、今回のソニー・エクスプローラサイエンスだけでなく、過去にはセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンと共同で東北地方にて開催したこともあった。

幼少時、分解によってモノの仕組みを知り、ワクワクしたというソニー創業者の一人、井深大氏。この考えこそ、ソニーが教育に力を入れている原点だろう

当日は、ソニーの現役エンジニア(8名)が分解博士として指導しながら、ソニー製品を分解。さらにミニ解説やクイズを行った。

6つのテーブルに4組ずつ分かれ、あらかじめ用意されているソニー製品を分解していく。分解するソニー製品はすべて完動品だ。今回は、PSP、ハンディカム、CyberShotと、小型でそれなりのお値段のものが多く用意されていた。こんな催しが子供のときにあったら、親に応募してくれと懇願しただろうし、取材で見ているだけでも心が躍る。

ソニー社員の「分解博士」。この2人がミニ講義を行い、合計8名のソニー社員が補助していた

新倉氏によるネジの外し方講義

ネジは摩擦で止まっているので、摩擦を減らすためにドライバーで押す事が重要と教えていた

ねじ回しは単に回すのではなく「押しながら回す」。持ち方ひとつつで腕がわかると指導

分解カルテに、名前、分解する製品名とシリアル番号。そしてネジが何個使われているか予測して記入。お父さんが示しているのがシリアル番号

今回分解するのはすべて可動品。ということで、動作確認

スイッチオン。このCyberShotもきちんと動く

動作を確認したら分解開始。この娘さんがバラしているのはPlayStation(初代版)

分解したデジタルカメラを、デジタルカメラで撮影

デジタルカメラも結構バラバラに……左下の板みたいなのはなに?

中川氏による液晶講座。液晶はパネルとバックライトでできているが……

バックライトのユニットには多数のシートが入っている

一旦分解したバックライトユニットを再度組み立てる中川氏

ハイ、映りました。そして間に指を入れると画像が見えなくなります

バックライトユニットをバラバラにすると、LEDが光ることがわかる

光の三原色のクイズ。黄色を出すためには何色と何色を足せばいい?

分解もかなり佳境。DVDハンディカムもかなりバラバラ

CyberShotもバラバラ

プレステはコントローラーも含めてバラバラ

ラジカセを分解して出てきたスピーカーを使って、スピーカーのミニ講義。中央の男の子が触っているが分解したスピーカーで、これを低周波発信機につないで動きを見せていた

電子機器には多数の金属が使われていることの紹介

特によく使われる金銀銅に関するミニクイズ。電気が最もよく流れるのは銀

電子機器には多くの金属が使われるので、都市にある電子機器をうまくリサイクルすると新たな金属材料が生き返る「都市鉱山」になる

2時間の分解タイムも終了。分解したものは大まかに分けて回収ゾーンへ

スライドにあったように、4つの回収ゾーンが用意されていた

「分解博士ジュニア認定証」と記念品が贈呈された