【インタビュー】

"時事芸人"プチ鹿島が新入社員に教えたい新聞の読み方

 

3月9日に、“時事芸人”であるプチ鹿島氏による『芸人式新聞の読み方』(幻冬舎/税別1,400円)が発売された。一般朝刊紙に朝刊スポーツ紙、夕刊紙と幅広く新聞を読み込んでいる同氏に、これから新聞を読む機会が増えるであろう新入社員に伝えたい、新聞の面白さや読み方のコツを伺った。

プチ鹿島氏

時事ネタをやじうま的に楽しむ

――長年、新聞や時事ネタがお好きだったということですが、いつから関心を持たれていたのでしょうか?

子供の頃から時事ネタが好きで、例えば『オールナイトニッポン』でのビートたけしさんと高田文夫さんの会話が楽しみで仕方ありませんでした。社会派というよりは、ただのやじうまで、その頃から僕の時事ネタへのスタンスは変わっていません。「昨日今日の出来事をクラスのみんなでワイワイしゃべろうよ」という面白さなんですよ。新聞を自分で取り出したのは学生のときで、途中、芸人としての活動に追われてスポーツ紙しか読まない時期もありましたが、今は6紙(全国紙と東京新聞)を取っています。

――お忙しいなかで、毎日どうやってチェックされているのですか?

新聞は必ずしも朝読まなくても良いと思っていて、朝は見出しだけ押さえる日もあります。各紙の一面、社説、天声人語的なコラム、社会面を見るだけなら30分くらいで終わっちゃうんですよね。読むタイミングも2~3日後に読んでもいいし、1週間後にまとめて読んでも良い。僕が最近やっているのは夜寝る前とか、お酒を飲みつつリラックスしている時に読むことです。

今はアプリや電子版が出ているので、それを使うのが楽ですね。スクラップも簡単にできるので後からまとめて読めるし、大抵の新聞ではキーワードを登録しておけば、関連記事が全部挙がってくるので、自分が興味のあるテーマをまとめて読むこともできます。ただ、興味のないニュースも目に入ることで、視点のバランスを取れるのが紙面で新聞を読む良さでもあります。今はアプリでも紙面を表示できるので、並列的な一覧ではなくて紙面の形式で見る方がおすすめです。

――各社の比較など、バランスを取って新聞を読まれている印象があります。

警戒心が強くて、結果的にそうなったんですよね。僕は週刊誌やゴシップ紙の類が大好きなのですが、丸呑みしたり、すぐさま全否定したりするのはもったいないと思っています。半信半疑で読んでいると、数カ月後にその内容が当たっていると判明することもある。ゴシップ好きって「この問題を他ではどう書いているんだろう」と興味を持って調べることで、自然と多角的な目を持つようになるんです。

ちなみに、僕の基礎はプロレスの報道にあると思います。プロレスというのは媒体によって書き方が全然違う一つの新聞や雑誌を切り捨てるのではなくて、こういう見方もあるんだと情報を集めていったことで、その視点が鍛えられました。

――新聞を読み始めようと思っても、朝刊紙は難しく感じるという人は、どう読み始めれば良いのでしょうか?

学校の授業などで社説や天声人語的なコラムを読みなさいと言われますが、面白くないですよね。でも、ある時ふと「社説は毎日何かについて憂えているけど、本当にそう思っているのかな」と思ったんです。そこで社説というものにはスタイルがあると気づきました。社説の面白さは、お笑いで言ったら大御所芸人が若手に対していちいち小言を言う面白さです。「また師匠があんなこと言っているよ」と思ったら、社説の文体を楽しめるようになってきました。

――『芸人式新聞の読み方』では、新聞各紙を擬人化されている章もありましたね。

新聞を擬人化するのは究極的には一番読みやすいと思いますよ。例えば朝日新聞は「インテリおじさん」、朝日のどこか鼻持ちならないところを嫌う人もいますが、最初からキャラとして楽しめばいいんですよ。読売新聞は、わかりやすく「ナベツネさん」ですね。この本では各紙の擬人化をしていますが、新聞をどのように読めば良いのか迷っている人にはおすすめの方法です。

――インターネットのポータルサイトやキュレーションサイトでニュースを読むことと、新聞を読むことの違いは何だと思われますか?

新聞は、朝日新聞や読売新聞という看板を何十年も掲げているので、主張や論調は別にしても、信頼と実績に安心できます。ネットで流れてくるニュースは便利ですが、出典や書いている人を調べたり、ニュースサイトのキャラクターをつかんだりしていないと、フラットには楽しめないと思うんです。新聞社が配信する記事をいくつか読んだ方が効率が良いと思います。その上で、ニュースサイトを見れば良いんですよ。

――著書の中での「新聞にも観客論が必要」という言葉が印象的でした。

野球でもボクシングでもプロレスでも、座る席によって全然見え方が違いますよね。それは新聞やニュースによっても同じです。この本は大きく言うと、物の見方の本なんですよ。一つの見方をするのも良いけれど、いろいろな視点で物事を見るとこんなに面白いということを伝えたいと思っています。とにかく僕が言いたいのは、「時事ネタをやじうま的にワイワイ楽しもうよ」というときに、新聞はネタ元として相変わらず有効に使えるということです。

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