案内業務はPepperの得意分野

まずはサービスについてだ。Pepperを店頭の案内などに利用している例は非常に多く、最近は様々なところで見られる。一見、高度なパフォーマンスを持つPepperの活用としては少々もったいなくも感じられてしまうこともあるが、実態としてはどうなのだろうか。

全国に約450店舗を展開する回転寿司チェーンの「はま寿司」では、一部の店舗において、店頭の受付にPepperを利用した実証実験を展開している。繁忙期などは片付けと接客をスタッフに任せるのが大変であり、それゆえにPepperを活用しようという発想だが、もともと回転寿司というのは、外食産業の中では装置産業に近いとも言えるものであり、人がやっているサービスをロボットに任せること自体にはさほど抵抗がなかったようだ。

はま寿司の導入目的

はま寿司の田邊公己営業本部長は、導入時の心配事として、「人類は本格的にロボットに案内されたことがない」ことを挙げた。Pepperの案内に対して最初は顧客も心配そうだったが、そこは店員がフォローしたり、前の客がやっていることを見て真似てみることで、すぐに受け入れられてきたという。結果として評判は非常に高く、小さい子供や中高生だけでなく、大人でも退店時に「Pepperくん、ごちそうさま」と声をかけていく人がいるという。

残念ながら、はま寿司ではPepperのコミュニケーション機能をオフにしているため、こうした声かけには対応できていないのだが、今後は待合中の顧客とのコミュニケーション、アイドルタイムを利用した店頭プロモーション活動、カメラ機能などを活用し、同社が持つ顧客データと連動させた顧客管理・マーケティング活動にも利用したいとしている。また、車椅子の利用や、2BOXにわかれて座りたい団体客が来た場合など、状況が複雑な場合への対応が課題であるとした。