説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『再起動と強制再起動はどう違うの?』という質問に答えます。

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ホーム画面の動作がおかしい、モバイル回線につながりにくい、けれど原因がよくわからない……という場合に「再起動」を行うと、あっさり問題解決につながることがあります。iPhoneのシステム(iOS)は、並行して多数のプログラムが動作していますから、なんらかの原因でそれらのプログラムの一部に問題が発生した場合、再起動するとあっけなく解決することがあります。

一方、画面をタップしても反応がない、ボタンを押しても反応がない(フリーズ状態)ときには、再起動すらままなりません。その場合には、最後の手段としてiPhoneの強制再起動(リセット)を行います。前述した再起動では、正規の終了手続きを経てシステムを起動しなおしますが、リセットはそのような手続きを経ずいきなり起動しなおすため、推奨されていません。パソコンでいえば、いきなり電源ボタンを押すようなものですから、できるだけ利用は避けるべきです。

iPhoneの再起動は、スリープボタンを長押しすると現れる「スライドで電源オフ」を左から右へスライドさせ、いちどiPhoneの電源が完全にオフになった状態にします。そのあとスリープボタンを押してiPhoneの電源を入れ、しばらく放置すればシステムが起動し操作可能な状態になります。

リセットは、スリープボタンとホームボタンを同時に約10秒間押し続けることで行います。しばらくしてAppleマークが画面中央に現れたところで手を離すと、システム(iOS)が起動を開始します。推奨できる方法ではありませんが、なにもできないままバッテリーが尽きるまで放置することに比べれば、現実的な対応といえるでしょう。

ところで、iPhoneの画面下部にある丸い凹みの「ホームボタン」は、2016年のモデルから仕様が変わりました。それ以前は物理的に押し下げることができる構造でしたが、iPhone 7/7 Plusでは内蔵のタッチセンサーを利用した感圧式に変更されています。iPhone 7/7 Plusでリセットを行う場合は、ホームボタンの代わりにボリュームダウンボタンを押し続けます。

「再起動」は正規の終了手続きを経た再起動ですが、「強制再起動(リセット)」はいきなり電源ボタンを押したあと電源を入れ直すようなものです