多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、『最近のスマホ、以前よりオートフォーカスが速いような?』という質問に答えます。

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オートフォーカスとは、カメラの焦点を自動的に合わせる機能をいいます。デジタルカメラの大半はこの機能を搭載しており、スマートフォンのカメラも例外ではありません。

現在利用されているオートフォーカス(AF)は、「コントラストAF」と「位相差AF」に大別されます。前者はスマートフォンやコンパクトデジタルカメラに多く採用され、後者はデジタル一眼レフなど比較的高級/大型のカメラに採用されてきた経緯があります。

コントラストAFは、イメージセンサーがとらえた映像の明るい部分と暗い部分の差(コントラスト)を検出してピントを合わせます。ピントの合ったときがもっとも高いコントラストを得られることから、レンズ位置の微調整を行うことでコントラストが高い位置を探ります。ただし、位置調整のために合焦速度で有利とはいえず、コントラストがはっきりしない場所ではピントが合いにくくなる傾向があります。

位相差AFは、イメージセンサーのうしろに置いたセパレーターレンズにより2つの像をつくり、そのズレをもとにピントの方向と量を計測し、レンズを一気に動かすことでピントを合わせます。そのため合焦速度に優れますが、AFセンサーとセパレーターレンズが必要になるため、カメラが大型化する傾向になります。

しかし、近年では超小型化したAFセンサーをイメージセンサーに組み込み、センサー面(像面)で位相差AF相当の処理を行う「像面位相差AF」の技術が確立したため、スマートフォンやコンパクトデジタルカメラでも高速な合焦が可能になりました。暗所に弱いなどの課題はあるものの、動く被写体をとらえることはコントラストAFより得意です。Galaxy S7/S7 edgeに採用された「デュアルフォトダイオード技術」など、像面位相差AFの欠点を改良した技術も登場していますから、オートフォーカスの性能は今後も向上するかもしれません。

像面位相差AF技術の確立により、スマートフォンのカメラも高速な合焦が可能になりました