2016年12月期決算では3期ぶりに経常損益を黒字に戻した日本マクドナルド。新メニューラッシュなどが功を奏したのか、鶏肉偽装問題で減った客足も回復基調を示し、それが確実に業績に結びついている。ここで気になるのは、マックの復活が“本物”なのかどうかだ。

経常損益は3期ぶりの黒字

まず2月9日に発表された2016年12月期決算の内容を振り返ると、連結売上高は2,266億4,600万円(前期比19.6%増)、直営店舗とフランチャイズ店舗の売上高を合計した全店売上高は4,384億8,800万円(同16.4%増)だった。連結営業利益は69億3,000万円(前期は約234億円の赤字)、経常利益は66億1,400万円(同259億円の赤字)となっている。既存店売上高は5期ぶりの前期比増、経常損益は3期ぶりの黒字化を達成した。

コラボ施策も話題に

2016年12月期の好調を支えた要因として同社は、「美味しいメニューのご提供、お客様にもご参加いただける楽しいプロモーションの企画、店舗改装、人材への投資によるおもてなしサービスの向上など、お客様を第一に考えて行った様々な取り組みが相乗効果を発揮した結果」としている。

実際、2016年の各種取り組みはシナジー効果を発揮し、数字を上向かせることに成功した。商品戦略としては「名前募集バーガー」や「グランドビックマック」で始まり、「エグチ」や「バベポ」など略語の商品を登場させて話題を博した。

「妖怪ウォッチ」、「リオデジャネイロ オリンピック」、そして社会現象まで引き起こした「ポケモンGO」など、コラボ戦略も大いに功を奏した。快適な店舗作りに向けては「マクドナルドFREE Wi-Fi」を導入。顧客の声を聴くための「KODOアプリ」と併せて、ネット環境は格段に進歩した。

数字上は通期で前年を凌駕

折しも日本マクドナルドが1971年に銀座1号店をオープンしてから45年という節目の年でもあった。月次動向で2017年1月の速報値を見ると、全店売上高は2015年12月から14カ月連続の前期比プラスを達成。つまり、数値上は2016年通年で前年実績を上回ったことになる。

決算発表の席でカサノバ氏は、「3つの要因によって結果を出すことができた」と語った。具体的には第1に顧客第一の取り組みによる効果、第2に会社、従業員、サプライヤーの全員が結束して取り組んだ成果、第3に顧客の支えが結果につながったという。

売上高向上の要因としては、単価アップが大きく寄与している。