あのお菓子のオレオに2つの新商品が登場する。黒いクッキーでバニラクリームを挟んだものというイメージを変える商品だ。オレオの日本誕生30周年を記念して……とのことだが、それはどうも表向きの理由にしか見えないのだ。

オレオマンとモンデリーズ・ジャパンの辺丙三(ほとり・へいぞう)社長(右)、マーケティング本部カテゴリーマネジャーの森繁弘氏(左)

オレオに2つの新商品が登場

モンデリーズ・インターナショナルの日本法人、モンデリーズ・ジャパンは1日、「オレオ ゴールデン バニラクリーム」と「オレオ クリスピー」の2つをオレオ誕生日の3月6日に発売すると発表した。

左端:今までのオレオ、中2つ:薄型のクリスピー、右端:ゴールデン バニラクリーム

ゴールデン バニラクリームはオレオのイメージを大きく変え、バニラクリームを挟むのは、チョコレートクッキーではなく、バタークッキー。チョコレートクッキーのほろ苦さが苦手な子供でも、おいしく食べられる幅広い層をターゲットにしたオレオだ。食してみると、確かにバターの風合いが強く、今までのビターなオレオとは別物だ。

もうひとつのクリスピータイプは、クッキーの厚さが約3ミリの薄型。バニラムースとティラミスの2つのフレーバーがあり、パリッとした食感も楽しめる20代から30代の大人の女性をターゲットにしている。せんべいのように"パリッ"というより、"サクッ"といったニュアンスのほうが近い食感だ。特にティラミスフレーバーは記憶にない味であり、手軽にティラミスが味わえるビスケットとして歓迎したい。

海外では様々なオレオがあるのに……

これら新商品は日本誕生30周年を記念して発売されるが、日本向け商品として開発されたわけではない。ゴールデン バニラクリームは2004年に米国で誕生したもので、クリスピータイプは2014年にアジアで開発・発売されたものとなる。

実は海外には多様なオレオが存在している。米国では黒いクッキーにミント、ベリー味を入れたもの、中国やインドネシアになるとアイスクリームにもなって販売されており、オレオ抹茶アイスクリーム(中国)、オレオブルーベリーアイスクリーム(インドネシア)がある。薄型オレオの反対を行く、3枚のクッキーで2層のクリームをサンドした極厚のオレオとして、オレオポルトレ(アルゼンチン)もある。

数多くのオレオがあるにも関わらず、「日本誕生30周年だから新商品が誕生」というのはやはり腑に落ちないのだ。文字どおりに受け取ると「次の新商品は30年後の日本誕生60周年か?」とも思えてしまう。いや、そんなのは待ちきれない。オレオファンならずとも「なぜ今?」という疑問はあるはずだ。